パートタイム労働法第4条
2015年05月23日 13:09
短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律
第4条(国及び地方公共団体の責務)
国は、短時間労働者の雇用管理の改善等について事業主その他の関係者の自主的な努力を尊重しつつその実情に応じてこれらの者に対し必要な指導、援助等を行うとともに、短時間労働者の能力の有効な発揮を妨げている諸要因の解消を図るために必要な広報その他の啓発活動を行うほか、その職業能力の開発及び向上等を図る等、短時間労働者の雇用管理の改善等の促進その他その福祉の増進を図るために必要な施策を総合的かつ効果的に推進するように努めるものとする。
2 地方公共団体は、前項の国の施策と相まって、短時間労働者の福祉の増進を図るために必要な施策を推進するように努めるものとする。
○通達による確認(平成26年通達)
国及び地方公共団体の責務(法第4条関係)
(1) 国の責務(法第4条第1項関係)
国は、短時間労働者の雇用管理の改善等について、事業主その他の関係者の自主的な努力を尊重しつつその実情に応じて必要な指導、援助等を行うとともに、短時間労働者の能力の有効な発揮を妨げている諸要因の解消を図るために必要な広報その他の啓発活動を行うほか、その職業能力の開発及び向上等を図る等、短時間労働者の雇用管理の改善等の促進その他その福祉の増進を図るために必要な施策を総合的かつ効果的に推進するように努めるものとしていること。
具体的内容は、指針の策定、事業主に対する報告徴収、助言、指導、勧告及び公表、調停の実施を含む紛争の解決の援助、啓発活動の実施、事業主等に対する援助の実施、職業訓練の実施、職業紹介の充実等であること。
(2) 地方公共団体の責務(法第4条第2項関係)
地方公共団体は、国の施策と相まって短時間労働者の福祉の増進を図るために必要な施策を推進するように努めるものとしていること。
具体的内容は、広報啓発活動、職業能力開発校等における職業訓練の実施、労政事務所等における講習等の開催等であること。
○パートタイム労働法第4条のまとめと考察
日本の民主主義は、第2次大戦後アメリカのGHQ(General Headquarters、連合国軍最高司令官総司令部)により植えつけられたものです。江戸時代はもちろん、明治維新後も身分制度は事実上存続していました。
そこで、戦後の民主化により真に法の下の平等が成し遂げられたのかといえば、依然として様々な形の身分制度(階層制度)が存続していると考えられます。この点を企業社会についてみると、その階級は、大株主兼代表取締役(いわゆるオーナー社長)>取締役(代表取締役)>執行役員>部長その他の上位管理職>管理職階層(課長、補佐、係長、主任等、配置位置による上下含む)>正社員(非管理職)>契約社員・準社員>いわゆるパートタイム労働者等>アルバイト等の臨時労働者、といった階層に区分できるかと思います。
欧米の能力主義・成果主義については、過度なものについては、日本の雇用形態としてはなじまず、職階型・年功型の労務管理が重視されている実情が続いています。そのため、労働条件も雇用形態別・職階別の労働条件が一般的であり、職能型賃金・成果型賃金・労働の内容別賃金は、採用されている企業においても支給している賃金の一定の割合(各種手当等の形式が通常)に限られます。
一般に、業務の内容を金員に正確に置換することは困難であり、その意味で真に合理性を有する「同一労働=同一賃金」の制度の構築は、特に日本社会においては難しい面が多いと考察します。
正規労働者であるが故の高単価賃金及び非正規雇用労働者であるが故の低単価賃金は、是正をすべきことは勿論ですが、権限の移譲や管理責任の度合いに応じた賃金額の決定への移行が望まれています。
以上でパートタイム労働法第4条を終了します。
パート労働法第4条