労働者派遣法第35条の2、第35条の3、第35条の4、第36条、第37条

2015年06月22日 11:04

労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律

第35条の2(労働者派遣の期間)

 派遣元事業主は、派遣先が当該派遣元事業主から労働者派遣の役務の提供を受けたならば第四十条の二第一項の規定に抵触することとなる場合には、当該抵触することとなる最初の日以降継続して労働者派遣を行つてはならない。

2 派遣元事業主は、前項の当該抵触することとなる最初の日の一月前の日から当該抵触

することとなる最初の日の前日までの間に、厚生労働省令で定める方法により、当該抵触

することとなる最初の日以降継続して労働者派遣を行わない旨を当該派遣先及び当該労働

者派遣に係る派遣労働者に通知しなければならない。

 

第35条の3(日雇労働者についての労働者派遣の禁止)

 

 派遣元事業主は、その業務を迅速かつ的確に遂行するために専門的な知識、技術又は経験を必要とする業務のうち、労働者派遣により日雇労働者(日々又は三十日以内の期間を定めて雇用する労働者をいう。以下この項において同じ。)を従事させても当該日雇労働者の適正な雇用管理に支障を及ぼすおそれがないと認められる業務として政令で定める業務について労働者派遣をする場合又は雇用の機会の確保が特に困難であると認められる労働者の雇用の継続等を図るために必要であると認められる場合その他の場合で政令で定める場合を除き、その雇用する日雇労働者について労働者派遣を行つてはならない。

2 厚生労働大臣は、前項の政令の制定又は改正の立案をしようとするときは、あらかじ

め、労働政策審議会の意見を聴かなければならない。

 

令第4条(法第三十五条の三第一項の政令で定める業務等)

 法第三十五条の三第一項の政令で定める業務は、次のとおりとする。

一 電子計算機を使用することにより機能するシステムの設計若しくは保守(これらに先行し、後続し、その他これらに関連して行う分析を含む。)又はプログラム(電子計算機に対する指令であつて、一の結果を得ることができるように組み合わされたものをいう。第十七号及び第十八号において同じ。)の設計、作成若しくは保守の業務

二 機械、装置若しくは器具(これらの部品を含む。以下この号及び第十八号において「機械等」という。)又は機械等により構成される設備の設計又は製図(現図製作を含む。)の業務

三 電子計算機、タイプライター又はこれらに準ずる事務用機器(第十七号において「事務用機器」という。)の操作の業務

四 通訳、翻訳又は速記の業務

五 法人の代表者その他の事業運営上の重要な決定を行い、又はその決定に参画する管理的地位にある者の秘書の業務

六 文書、磁気テープ等のファイリング(能率的な事務処理を図るために総合的かつ系統的な分類に従つてする文書、磁気テープ等の整理(保管を含む。)をいう。以下この号において同じ。)に係る分類の作成又はファイリング(高度の専門的な知識、技術又は経験を必要とするものに限る。)の業務

七 新商品の開発、販売計画の作成等に必要な基礎資料を得るためにする市場等に関する調査又は当該調査の結果の整理若しくは分析の業務

八 貸借対照表、損益計算書等の財務に関する書類の作成その他財務の処理の業務

九 外国貿易その他の対外取引に関する文書又は商品の売買その他の国内取引に係る契約書、貨物引換証、船荷証券若しくはこれらに準ずる国内取引に関する文書の作成(港湾運送事業法第二条第一項第一号に掲げる行為に附帯して行うもの及び通関業法(昭和四十二年法律第百二十二号)第二条第一号に規定する通関業務として行われる同号ロに規定する通関書類の作成を除く。)の業務

十 電子計算機、自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識、技術又は経験を必要とする機械の性能、操作方法等に関する紹介及び説明の業務

十一 旅行業法(昭和二十七年法律第二百三十九号)第十二条の十一第一項に規定する旅程管理業務(旅行者に同行して行うものに限る。)若しくは同法第四条第一項第四号に規定する企画旅行以外の旅行の旅行者に同行して行う旅程管理業務に相当する業務(以下この号において「旅程管理業務等」という。)、旅程管理業務等に付随して行う旅行者の便宜となるサービスの提供の業務(車両、船舶又は航空機内において行う案内の業務を除く。)又は車両の停車場若しくは船舶若しくは航空機の発着場に設けられた旅客の乗降若しくは待合いの用に供する建築物内において行う旅行者に対する送迎サービスの提供の業務

十二 建築物又は博覧会場における来訪者の受付又は案内の業務

十三 科学に関する研究又は科学に関する知識若しくは科学を応用した技術を用いて製造する新製品若しくは科学に関する知識若しくは科学を応用した技術を用いて製造する製品の新たな製造方法の開発の業務(第一号及び第二号に掲げる業務を除く。)

十四 企業等がその事業を実施するために必要な体制又はその運営方法の整備に関する調査、企画又は立案の業務(労働条件その他の労働に関する事項の設定又は変更を目的として行う業務を除く。)

十五 書籍、雑誌その他の文章、写真、図表等により構成される作品の制作における編集の業務

十六 商品若しくはその包装のデザイン、商品の陳列又は商品若しくは企業等の広告のために使用することを目的として作成するデザインの考案、設計又は表現の業務(次条第六号に掲げる業務を除く。)

十七 事務用機器の操作方法、電子計算機を使用することにより機能するシステムの使用方法又はプログラムの使用方法を習得させるための教授又は指導の業務

十八 顧客の要求に応じて設計(構造を変更する設計を含む。)を行う機械等若しくは機械等により構成される設備若しくはプログラム又は顧客に対して専門的知識に基づく助言を行うことが必要である金融商品(金融商品の販売等に関する法律(平成十二年法律第百一号)第二条第一項に規定する金融商品の販売の対象となるものをいう。)に係る当該顧客に対して行う説明若しくは相談又は売買契約(これに類する契約で同項に規定する金融商品の販売に係るものを含む。以下この号において同じ。)についての申込み、申込みの受付若しくは締結若しくは売買契約の申込み若しくは締結の勧誘の業務

2 法第三十五条の三第一項の政令で定める場合は、法第二十三条第一項に規定する派遣元事業主が労働者派遣に係る法第三十五条の三第一項に規定する日雇労働者(以下この項において「日雇労働者」という。)の安全又は衛生を確保するため必要な措置その他の雇用管理上必要な措置を講じている場合であつて次の各号のいずれかに該当するときとする。

一 当該日雇労働者が六十歳以上の者である場合

二 当該日雇労働者が学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第一条、第百二十四条又は第百三十四条第一項の学校の学生又は生徒(同法第四条第一項に規定する定時制の課程に在学する者その他厚生労働省令で定める者を除く。)である場合

三 当該日雇労働者及びその属する世帯の他の世帯員について厚生労働省令で定めるところにより算定した収入の額が厚生労働省令で定める額以上である場合

 

則第28条の2(令第四条第二項第二号の厚生労働省令で定める者)

 令第四条第二項第二号の厚生労働省令で定める者は、次に掲げる者とする。

一 卒業を予定している者であつて、雇用保険法(昭和四十九年法律第百十六号)第五条第一項に規定する適用事業に雇用され、卒業した後も引き続き当該事業に雇用されることになつているもの

二 休学中の者

三 前二号に掲げる者に準ずる者

 

則第28条の3(令第四条第二項第三号の厚生労働省令で定めるところにより算定した収入の額等)

 令第四条第二項第三号の厚生労働省令で定めるところにより算定した収入の額は、次に掲げる額とする。

一 日雇労働者の一年分の賃金その他の収入の額

二 日雇労働者(主として生計を一にする配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。)その他の親族(以下この号において「配偶者等」という。)の収入により生計を維持する者に限る。)及び当該日雇労働者と生計を一にする配偶者等の一年分の賃金その他の収入の額を合算した額

2 令第四条第二項第三号の厚生労働省令で定める額は、五百万円とする。

 

第35条の4(離職した労働者についての労働者派遣の禁止)

 

 派遣元事業主は、労働者派遣をしようとする場合において、派遣先が当該労働者派遣の役務の提供を受けたならば第四十条の六第一項の規定に抵触することとなるときは、当該労働者派遣を行つてはならない。

 

第36条(派遣元責任者)

 

 派遣元事業主は、派遣就業に関し次に掲げる事項を行わせるため、厚生労働省令で定めるところにより、第六条第一号から第八号までに該当しない者(未成年者を除く。)のうちから派遣元責任者を選任しなければならない。

一 第三十二条、第三十四条、第三十五条、第三十五条の二第二項及び次条に定める事項に関すること。

二 当該派遣労働者に対し、必要な助言及び指導を行うこと。

三 当該派遣労働者から申出を受けた苦情の処理に当たること。

四 当該派遣労働者等の個人情報の管理に関すること。

五 当該派遣労働者の安全及び衛生に関し、当該事業所の労働者の安全及び衛生に関する業務を統括管理する者及び当該派遣先との連絡調整を行うこと。

 六 前号に掲げるもののほか、当該派遣先との連絡調整に関すること。

 

則第29条(派遣元責任者の選任)

 法第三十六条の規定による派遣元責任者の選任は、次に定めるところにより行わなければならない。

一 派遣元事業主の事業所(以下この条において単に「事業所」という。)ごとに当該事業所に専属の派遣元責任者として自己の雇用する労働者の中から選任すること。ただし、派遣元事業主(法人である場合は、その役員)を派遣元責任者とすることを妨げない。

二 当該事業所の派遣労働者の数が百人以下のときは一人以上の者を、百人を超え二百人以下のときは二人以上の者を、二百人を超えるときは、当該派遣労働者の数が百人を超える百人ごとに一人を二人に加えた数以上の者を選任すること。

 三 法附則第四項に規定する物の製造の業務(以下「製造業務」という。)に労働者派遣

  をする事業所にあつては、当該事業所の派遣元責任者のうち、製造業務に従事する派

  遣労働者の数が百人以下のときは一人以上の者を、百人を超え二百人以下のときは二

  人以上の者を、二百人を超えるときは、当該派遣労働者の数が百人を超える百人ごと

  に一人を二人に加えた数以上の者を当該派遣労働者を専門に担当する者(以下「製造

  業務専門派遣元責任者」という。)とすること。ただし、製造業務専門派遣元責任者の

  うち一人は、製造業務に従事しない派遣労働者を併せて担当することができる。

 

第37条(派遣元管理台帳)

 

 派遣元事業主は、厚生労働省令で定めるところにより、派遣就業に関し、派遣元管理台帳を作成し、当該台帳に派遣労働者ごとに次に掲げる事項を記載しなければならない。

一 派遣先の氏名又は名称

二 事業所の所在地その他派遣就業の場所

三 労働者派遣の期間及び派遣就業をする日

四 始業及び終業の時刻

五 従事する業務の種類

六 派遣労働者から申出を受けた苦情の処理に関する事項

七 紹介予定派遣に係る派遣労働者については、当該紹介予定派遣に関する事項

 八 その他厚生労働省令で定める事項

2 派遣元事業主は、前項の派遣元管理台帳を三年間保存しなければならない。

 

則第30条(派遣元管理台帳の作成及び記載)

 法第三十七条第一項の規定による派遣元管理台帳の作成は、派遣元事業主の事業所ごとに、行わなければならない。

2 法第三十七条第一項の規定による派遣元管理台帳の記載は、労働者派遣をするに際し、行わなければならない。

3 前項に定めるもののほか、法第四十二条第三項の規定による通知が行われる場合にお

いて、当該通知に係る事項が法第三十七条第一項各号に掲げる事項に該当する場合であつ

て当該通知に係る事項の内容が前項の記載と異なるときは、当該通知が行われた都度、当

該通知に係る事項の内容を記載しなければならない。

 

則第31条(法第三十七条第一項第八号の厚生労働省令で定める事項)

 法第三十七条第一項第八号の厚生労働省令で定める事項は、次のとおりとする。

一 派遣労働者の氏名

二 事業所の名称

三 派遣元責任者及び派遣先責任者に関する事項

四 法第四十条の二第一項第一号の業務について労働者派遣をするときは、第二十一条第二項の規定により付することとされる条番号及び号番号

五 法第四十条の二第一項第二号イの業務について労働者派遣をするときは、第二十二条の二第二号の事項

六 法第四十条の二第一項第二号ロの業務について労働者派遣をするときは、第二十二条の二第三号の事項

七 法第四十条の二第一項第三号の業務について労働者派遣をするときは、第二十二条の二第四号の事項

八 法第四十条の二第一項第四号の業務について労働者派遣をするときは、第二十二条の二第五号の事項

九 第二十七条の二の規定による通知の内容

 

則第32条(保存期間の起算日)

 法第三十七条第二項の規定による派遣元管理台帳を保存すべき期間の計算についての起

算日は、労働者派遣の終了の日とする。

 

業務取扱要領の内容確認(派遣元事業主の講ずべき措置等)

1.派遣元事業主が構図べき措置等(再掲)

 一般労働者派遣事業であると特定労働者派遣事業であるとを問わず、派遣元事業主は、次の措置等を講じなければならない。
 ① 有期雇用派遣労働者等の雇用の安定等のための措置(法第30条)
 ② 均衡を考慮した待遇の確保のための措置(法第30条の2)
 ③ 派遣労働者等の福祉の増進のための措置(法第30条の3)
 ④ 適正な派遣就業の確保のための措置(法第31条)
 ⑤ 待遇に関する事項等の説明(法第31条の2)
 ⑥ 派遣労働者であることの明示等(法第32条)
 ⑦ 派遣労働者に係る雇用制限の禁止(法第33条)
 ⑧ 就業条件の明示(法第34条)
 ⑨ 労働者派遣に関する料金の額の明示(法第34条の2)
 ⑩ 派遣先への通知(法第35条)
 ⑪ 派遣受入期間の制限の適切な運用(法第35条の2)
 ⑫ 派遣先及び派遣労働者に対する派遣停止の通知(法第35条の2)
 ⑬ 日雇労働者についての労働者派遣の原則禁止(法第35条の3)
 ⑭ 離職した労働者についての労働者派遣の禁止(法第35条の4)
 ⑮ 派遣元責任者の選任(法第36条)
 ⑯ 派遣元管理台帳の作成、記載及び保存(法第37条)


2.法第35条の2(派遣受入期間の制限の適切な運用)

(1) 概要
 派遣元事業主は、派遣先が当該派遣元事業主から労働者派遣の役務の提供を受けたならば、第9の4の派遣受入期間の制限に抵触することとなる最初の日以降継続して労働者派遣を行ってはならない(法第35条の2、第9の4参照)。
(2) 意義
 派遣先における常用雇用労働者の派遣労働者による代替の防止の確保を図るためである。
(3) 派遣受入期間の制限の適切な運用のための留意点
   派遣先は、事業所その他就業の場所ごとの同一の業務(第9の4の(3)のイの①から⑤までに掲げる業務を除く。)について、派遣元事業主から派遣受入期間を超える期間継続して労働者派遣の役務の提供を受けることはできないため、当該派遣受入期間の制限を超えて派遣元事業主が労働者派遣を行うことを禁止しているものである。
   しかしながら、新たな労働者派遣を行うに際し、当該新たな労働者派遣を行う前に異なる派遣元事業主から労働者派遣の役務の提供が行われていたか否かについて、当該派遣元事業主は把握することができず、派遣受入期間の制限を超えて労働者派遣の提供を行ってしまうおそれがある。したがって、第9の4の(3)のイの①から⑤までに掲げる業務以外の業務について派遣元事業主から新たな労働者派遣契約に基づく労働者派遣の役務の提供を受けようとする者は、第7の労働者派遣契約の締結に当たり、あらかじめ、当該派遣元事業主に対し、当該労働者派遣の役務の提供が開始される日以後当該業務について派遣受入期間の制限に抵触することとなる最初の日を通知しなければならず、また、派遣元事業主は、当該通知がないときは、当該者との間で、労働者派遣契約を締結してはならないものである(第7の2の(3)参照)。
   派遣元事業主は、ロにより通知された派遣受入期間の制限に抵触する日以降継続して労働者派遣を行ってはならないものである。
(4) 違反の場合の効果
   派遣受入期間の制限を超えて労働者派遣を行った場合は、法第61条第3号に該当し、30万円以下の罰金に処せられる場合がある。
   また、許可の取消し(法第14条第1項)、事業停止命令(法第14条第2項、法第21条第2項)、改善命令(法第49条第1項)の対象となり、イの司法処分を受けた場合は、許可取消し、事業廃止命令(法第21条第1項)の対象となる(第13の2参照)。

 

3.法第35条の2(派遣先及び派遣労働者に対する派遣停止の通知)

(1) 概要
 派遣元事業主は、派遣先が派遣受入期間の制限に抵触することとなる最初の日の一月前の日から当該抵触することとなる最初の日の前日までの間に、当該抵触することとなる最初の日以降継続して労働者派遣を行わない旨を当該派遣先及び当該労働者派遣に係る派遣労働者に通知しなければならない(法第35条の2第2項)。
(2) 意義
 この通知は派遣受入期間の制限を徹底させるためのものであり、派遣受入期間の制限に抵触する日に近接したタイミングで、派遣元事業主から、派遣先及び派遣労働者に対し、当該抵触日以降継続して労働者派遣を行わない旨を通知させることにより、当事者間で派遣受入期間の制限を再確認し、派遣受入期間の制限違反の発生を未然に防止するためのものである。
 なお、この通知は、派遣先による派遣労働者への労働契約の申込み義務の要件ともなっており、非常に重要な通知であることから、通知の義務に違反する派遣元事業主に対しては、十分に指導を行い、指導に従わない場合には、許可の取消しを含め、厳しく対応すること。
(3) 通知の方法
 通知は、次の方法により行わなければならない(則第27条第5項)。
 ① 派遣労働者に対する通知の場合は、派遣受入期間の制限への抵触日を明示した上で当該日以降継続して労働者派遣を行わない旨を書面、ファクシミリ又は電子メール(ファクシミリ又は電子メールによる場合にあっては、当該派遣労働者が希望した場合に限る。)により通知することによる。
 なお、この場合のファクシミリ又は電子メールによる通知に関しては、9の(6)のイからハまでに掲げる留意点に十分留意する必要がある。
 ② 派遣先に対する通知の場合は、派遣受入期間の制限への抵触日を明示した上で当該日以降継続して労働者派遣を行わない旨を記載した書面の交付若しくはファクシミリを利用してする送信又は電子メールの送信をすることによる。

 

4.法第35条の3(日雇労働者についての労働者派遣の原則禁止)

(1) 概要
 派遣元事業主は、その業務を迅速かつ的確に遂行するために専門的な知識、技術又は経験を必要とする業務のうち、労働者派遣により日雇労働者(日々又は30日以内の期間を定めて雇用する労働者をいう。以下同じ。)を従事させても当該日雇労働者の適正な雇用管理に支障を及ぼすおそれがないと認められる業務について労働者派遣をする場合又は雇用の機会の確保が特に困難であると認められる労働者の雇用の継続等を図るために必要であると認められる場合等を除き、その雇用する日雇労働者について労働者派遣を行ってはならない(法第35条の3)。
(2) 意義
 日雇派遣(日雇労働者についての労働者派遣をいう。以下同じ。)については、必要な雇用管理がなされず、労働者保護が果たされない等といった課題が指摘されている。そのため、適正な雇用管理に支障を及ぼすおそれがないと認められる業務について労働者派遣をする場合又は雇用の機会の確保が特に困難であると認められる労働者の雇用の継続等を図るために必要であると認められる場合等を除き、日雇派遣を原則禁止するものである。
(3) 禁止の範囲
 禁止される日雇派遣の範囲は、日々又は30日以内の期間を定めて雇用する労働者の派遣である。そのため、労働契約の期間が31日以上であれば、労働者派遣契約の期間が30日以内であったとしても、日雇派遣の禁止に違反するものではない。
 ただし、例えば、労働者派遣の期間が1日しかないにもかかわらず31日以上の労働契約を締結する、労働契約の初日と最終日しか労働者派遣の予定がないにもかかわらず当該期間を通じて労働契約を締結するなど、社会通念上明らかに適当とはいえない労働契約については、日雇派遣の禁止の適用を免れることを目的とした行為であると解される。
(4) 禁止の例外
 日雇派遣の禁止の例外として認められるものは、次のとおりである。
   労働者派遣の対象となる日雇労働者の適正な雇用管理に支障を及ぼすおそれがないと認められる業務
 令第4条第1項各号に掲げる業務(17.5業務)が該当する(第9の4の(3)のニの「令第5条の業務」の1令第4条第1項各号に掲げる業務参照)。
   雇用の機会の確保が特に困難であると認められる労働者の雇用の継続等を図るために必要であると認められる場合等
 労働者派遣の対象となる日雇労働者が次の①から④までのいずれかに該当する場合
 (令第4条第2項、則第28条の2、則第28条の3)。
 ① 労働者派遣の対象となる日雇労働者が60歳以上である場合
 ② 労働者派遣の対象となる日雇労働者が学校教育法(昭和22年法律第26号)第1条、第124条又は第134条第1項の学校の学生又は生徒である場合雇用保険の適用を受けない昼間学生の範囲と同一であるが、次のいずれかに該当する場合には、日雇派遣の例外となる学生又は生徒に含まれない。
 ・ 定時制の課程に在学する者(大学の夜間学部、高等学校の夜間等)
 ・ 通信制の課程に在学する者
 ・ 卒業見込証明書を有する者であって、卒業前に雇用保険法第5条第1項に規定する適用事業に就職し、卒業後も引き続き当該事業に勤務する予定のもの
 ・ 休学中の者
 ・ 事業主の命により(雇用関係を存続したまま)、大学院等に在学する者(社会人大学生等)
 ・ その他一定の出席日数を課程終了の要件としない学校に在学する者であって、当該事業において同種の業務に従事する他の労働者と同様に勤務し得ると認められるもの
 ③ 労働者派遣の対象となる日雇労働者の生業収入の額が500万円以上である場合(副業として日雇派遣に従事させる場合)
 ・ 「生業収入」とは、主たる業務の収入のことをいい、例えば、労働者派遣の対象となる日雇労働者が複数の業務を兼務している場合には、その収入額が最も高い業務が主たる業務となること。また、使用者から労働の対価として支払われるものに限られるものではなく、例えば、不動産の運用収入やトレーディング収入(株式売買、投資信託、外国為替及び先物取引等による収入)等も「生業収入」に含まれること。
 ④ 労働者派遣の対象となる日雇労働者が主として生計を一にする配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。)その他の親族(以下「配偶者等」という。)の収入により生計を維持している場合であって、世帯収入が500万円以上である場合(主たる生計者以外の者を日雇派遣に従事させる場合)
 ・ 「主として生計を一にする配偶者等の収入により生計を維持している」とは、世帯全体の収入に占める労働者派遣の対象となる日雇労働者の収入の割合が50%未満であることをいうこと。
 ・ 「生計を一にする」か否かの判断は、実態として、労働者派遣の対象となる日雇労働者が配偶者等の収入により生計を維持しているかどうかにより確認するものとし、必ずしも配偶者等と同居している必要はないこと。したがって、例えば、両親の収入により生計を維持している子供が単身で生活をしている場合であっても、世帯収入が500万円以上であれば対象となること。
 ・ 「世帯収入」には、労働者派遣の対象となる日雇労働者の収入も含まれること。また、「収入」とは、使用者から労働の対価として支払われるものに限られるものではなく、例えば、不動産の運用収入やトレーディング収入(株式売買、投資信託、外国為替及び先物取引等による収入)等も含まれること。
(5) 要件の確認方法
   (4)のロの①、②又は④に該当するか否かの確認は、年齢が確認できる公的書類(住民票、健康保険証、運転免許証等)、学生証、配偶者等と生計を一にしているかどうかを確認できる公的書類(住民票、健康保険証)等によることを基本とする。ただし、合理的な理由によりこれらの書類等が用意できない場合、これらの書類等のみでは判断できない場合(昼間学生に該当するか否か等)等には、やむを得ない措置として日雇労働者本人からの申告(誓約書の提出)によることとしても差し支えない。
 ロ  (4)のロの③又は④の収入要件を満たしているか否かの確認は、労働者派遣の対象となる日雇労働者本人やその配偶者等の所得証明書、源泉徴収票の写し等によることを基本とする。ただし、合理的な理由によりこれらの書類等が用意できない場合等には、やむを得ない措置として労働者派遣の対象となる日雇労働者本人からの申告(誓約書の提出)によることとしても差し支えない。
   (4)のロの③又は④の収入要件は前年の収入により確認することとするが、前年の収入が500万円以上である場合であっても、当年の収入が500万円を下回ることが明らかとなった場合には、日雇派遣の禁止の例外として認められない。
   労働者派遣の対象となる日雇労働者の従事する業務が(4)のイに該当するかどうか、又は労働者派遣の対象となる日雇労働者が(4)のロに該当するかどうかの確認は、労働契約の締結ごとに行う必要がある。また、(4)のロに該当するかどうかについて、労働契約の締結時には書類等による確認ができなかったが、その後、書類等による確認ができるようになった場合には、事後的であっても書類等により確認することを基本とする。
  派遣元事業主は、要件の確認に用いた書類等を保存しておく必要はないが、例えば、派遣元管理台帳に記録を残しておくなど、どのような種類の書類等により要件の確認を行ったかが分かるようにしておく必要がある。ただし、要件の確認を誓約書の提出により行った場合には、事後のトラブル等を未然に防止するためにも、当該誓約書を派遣元管理台帳と合わせて管理しておくことが望ましい。その際、書類等による確認ではなく誓約書によることとなった理由についても分かるようにしておくことが望ましい。
(6) 違反の場合の効果
 (1)に違反した場合、派遣元事業主は、許可の取消し(法第14条第1項)、事業停止命令(法第14条第2項、法第21条第2項)、改善命令(法第49条第1項)の対象となる(第13の2参照)。

 

5.法第35条の4(離職した労働者についての労働者派遣の禁止)

(1) 概要
 派遣元事業主は、労働者派遣をしようとする場合において、派遣先が当該労働者派遣の役務の提供を受けたならば法第40条の6第1項の規定に抵触することとなるときは、当該労働者派遣を行ってはならない(法第35条の4)(第9の7参照)。
(2) 意義
 労働者派遣事業は、常用雇用の代替防止を前提として制度化されているものであり、ある企業を離職した労働者を当該企業において派遣労働者として受け入れ、当該企業の業務に従事させることは、法の趣旨に鑑みても適当ではない。そのため、派遣元事業主に対し、派遣先を離職した後1年を経過しない労働者(60歳以上の定年退職者を除く。)を派遣労働者として当該派遣先へ労働者派遣することを禁止するものである。
(3) 離職した労働者についての労働者派遣の禁止の留意点
   離職した労働者についての労働者派遣の禁止の例外となる「60歳以上の定年退職者」の取扱いは、第6の2の(3)のロ及びハと同様である。
  「派遣先」とは、事業者単位で捉えられるものであり、例えば、ある会社のA事業所を離職した労働者を同じ会社のB事業所へ派遣することは、離職後1年を経過しない場合は認められないこと。なお、グループ企業への派遣に関しては、同一の事業者には該当しないため、離職した労働者についての労働者派遣の禁止対象になるものではないこと。
  「労働者」とは、正社員に限定されるものではなく、非正規労働者も含まれる。
(4) 違反の場合の効果
 (1)に違反した場合、派遣元事業主は、許可の取消し(法第14条第1項)、事業停止命令(法第14条第2項、法第21条第2項)、改善命令(法第49条第1項)の対象となる(第13の2参照)。

 

6.法第36条(派遣元責任者の選任)

(1) 概要
 派遣元事業主は、(4)に掲げる事項を行わせるため、派遣元責任者を選任しなければならない(法第36条)。
(2) 意義
 派遣先で就業することとなる派遣労働者に係る派遣元事業主の雇用管理上の責任を一元的に負う派遣元責任者を選任させ、派遣元事業主による適正な雇用管理を確保するためのものである。
(3) 派遣元責任者の選任の方法等
   派遣元責任者となる者の要件
 派遣元責任者は、次の①から⑧までのいずれにも該当しない者のうちから選任しなくてはならない(法第36条)。
 ① 禁錮以上の刑に処せられ、又は第4の1の(5)「許可の欠格事由」の1の(1)のイからハまで及びトからヲまでの規定に違反し又はニ、ホ及びヘの罪を犯したことにより、罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して5年を経過しない者
 ② 成年被後見人若しくは被保佐人又は破産者で復権を得ないもの
 ③ 一般労働者派遣事業の許可を取り消され、又は特定労働者派遣事業の廃止を命じられ、当該取消し又は命令の日から起算して5年を経過しない者
 ④ 一般労働者派遣事業の許可を取り消され、又は特定労働者派遣事業の廃止を命じられた者が法人である場合において、当該取消し又は命令の処分を受ける原因となった事項が発生した当時に当該法人の役員であった者で、当該取消し又は命令の日から起算して5年を経過しないもの
 ⑤ 一般労働者派遣事業の許可の取消し又は特定労働者派遣事業の廃止の命令の処分に係る聴聞の通知があった日から当該処分をする日又は処分をしないことを決定する日までの間に一般労働者派遣事業又は特定労働者派遣事業の廃止の届出をした者で、当該届出の日から起算して5年を経過しないもの
 ⑥ ⑤の期間内に廃止の届出をした者が法人である場合において、聴聞の通知の日前60日以内に当該法人の役員であった者で、当該届出の日から起算して5年を経過しないもの
 ⑦ 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律第2条第6号に規定する暴力団員又は暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者
 ⑧ 未成年者
 この場合において、一般労働者派遣事業においては、許可について派遣元責任者に雇用管理能力に係る一定の基準を満たすこと及び派遣元責任者講習を受講していることを選任の要件としている(第4の1の(5)参照)。特定労働者派遣事業については、法令上一定の資格能力は要求されていないが、同様に派遣元責任者が労働関係法令に関する知識を有し、雇用管理に関し専門的知識又は相当期間の経験を有する者を選任することが適当であるのでその旨周知徹底を図ること。
  派遣元責任者の選任方法
 派遣元責任者は、次の方法により選任しなければならない(則第29条)。
 (イ) 派遣元事業主の事業所ごとに当該事業所に専属の派遣元責任者として自己の雇用する労働者の中から選任すること。ただし、派遣元事業主(法人の場合は、その役員)を派遣元責任者とすることを妨げない。
 この場合において専属とは当該派遣元責任者に係る業務のみを行うということではなく、他の事業所の派遣元責任者と兼任しないという意味である。なお、会社法等の規定により、法人の会計参与は同一の法人又はその子会社の取締役、監査役、執行役又は従業員を兼ねることはできず、監査役は同一の法人又はその子会社の取締役若しくは従業員又は当該子会社の会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員)若しくは執行役を兼ねることはできないため、これらの者については派遣元責任者として選任できないので、留意すること。
 (ロ) 当該事業所の労働に従事する派遣労働者の数について1人以上100人以下を1単位とし、1単位につき1人以上ずつ選任しなければならない。
   派遣元責任者講習の受講
 派遣元責任者として選任された後においても、労働者派遣事業に関する知識、理解を一定の水準に保つため、一般労働者派遣事業において選任された派遣元責任者については、派遣元責任者として在任中は3年ごとに「派遣元責任者講習」を受講するよう指導を行うこと。また、特定労働者派遣事業において選任された派遣元責任者についても、可能な限り受講するよう指導を行うこと。
   製造業務専門派遣元責任者の選任
 (イ) 物の製造の業務に労働者派遣をする事業所等にあっては、物の製造の業務に従事させる派遣労働者の数について1人以上100人以下を1単位とし、1単位につき1人以上ずつ、物の製造の業務に従事させる派遣労働者を専門に担当する者(以下、「製造業務専門派遣元責任者」という。)を、選任しなければならない(則第29条第3号)。
 (ロ) ただし、製造業務専門派遣元責任者のうち1人は、物の製造の業務に労働者派遣をしない派遣労働者(それ以外の業務へ労働者派遣された派遣労働者)を併せて担当することができる。
 (ハ) 物の製造業務に労働者派遣をする場合には、製造現場での就業の実情を考慮し、派遣労働者の適正な就業を確保するため、派遣労働者の雇用管理体制の一層の充実を図る必要があることから、物の製造業務へ派遣された派遣労働者を担当する派遣元責任者と、それ以外の業務へ派遣された派遣労働者を担当する派遣元責任者とを区分して選任するものである。
 (ニ) 例えば、労働者派遣事業を行う事業所における全派遣労働者300人のうち、物の製造の業務へ派遣されている派遣労働者が150人、物の製造の業務以外の業務へ派遣されている派遣労働者が150人である場合、製造業務専門派遣元責任者を2人(うち1人は物の製造の業務以外の業務へ派遣されている派遣労働者を併せて担当することができる。)を選任することが必要である。
 (ホ) また、例えば、労働者派遣事業を行う事業所における全派遣労働者50人のうち、物の製造の業務へ派遣されている派遣労働者が20人、物の製造の業務以外の業務へ派遣されている派遣労働者が30人である場合、製造業務専門派遣元責任者を1人(この1人については物の製造の業務以外の業務へ派遣されている派遣労働者を併せて担当することができる。)を選任する必要がある。
(4) 派遣元責任者の職務
 派遣元責任者は、次に掲げる職務を行わなければならない。
 ① 派遣労働者であることの明示等(7参照)
 ② 就業条件等の明示(9参照)
 ③ 派遣先への通知(11参照)
 ④ 派遣先及び派遣労働者に対する派遣停止の通知(13参照)
 ⑤ 派遣元管理台帳の作成、記載及び保存(17参照)
 ⑥ 派遣労働者に対する必要な助言及び指導の実施
 具体的には、例えば、法に沿って、労働者派遣事業制度の趣旨、内容、労働者派遣契約の趣旨、派遣元事業主及び派遣先が講ずべき措置、労働基準法等の適用に関すること、苦情等の申出方法等につき必要な助言及び指導を行うことである。
 ⑦ 派遣労働者から申出を受けた苦情の処理
 具体的には、例えば、派遣労働者から直接申出を受けた苦情及び法第40条第1項の規定により派遣先から通知のあった苦情に、適切な処理を行うことである。
 なお、派遣元責任者が苦情処理を適切に処理し得るためには、本人が派遣先に直接出向いて処理する必要性も高いことから、派遣先の対象地域については派遣元責任者が日帰りで苦情処理を行い得る地域とされていることが必要であることに留意すること。
 ⑧ 派遣先との連絡・調整
 具体的には、例えば、派遣先の連絡調整の当事者となる派遣先責任者との間において⑦のほか派遣就業に伴い生じた問題の解決を図っていくことである。
 ⑨ 派遣労働者の個人情報の管理に関すること
 具体的には、例えば、派遣労働者等の個人情報が目的に応じ正確かつ最新のものに保たれているか、個人情報が紛失、破壊、改ざんされていないか、個人情報を取り扱う事業所内の職員以外の者が当該個人情報にアクセスしていないかについての管理を行うこと、また、目的に照らして必要がなくなった個人情報の破棄又は削除を行うこと等である。
 ⑩ 安全衛生に関すること
 派遣労働者の安全衛生に関し、当該派遣元事業所において労働者の安全衛生に関する業務を統括する者及び派遣先と必要な連絡調整を行うこと。
 具体的には、派遣労働者の安全衛生が的確に確保されるよう、例えば、以下の内容に係る連絡調整を行うことである。
 ・ 健康診断(一般定期健康診断、有害業務従事者に対する特別な健康診断等)の実施に関する事項(時期、内容、有所見の場合の就業場所の変更等の措置)
 ・ 安全衛生教育(雇入れ時の安全衛生教育、作業内容変更時の安全衛生教育、特別教育、職長等教育等)に関する事項(時期、内容、実施責任者等)
 ・ 労働者派遣契約で定めた安全衛生に関する事項の実施状況の確認
 ・ 事故等が発生した場合の内容・対応状況の確認
 なお、労働者の安全・衛生に関する業務を統括する者とは、労働安全衛生法における安全管理者、衛生管理者等が選任されているときは、その者をいい、統括安全衛生管理者が選任されているときは、その者をいうものである。また、小規模事業場で、これらの者が選任されていないときは、事業主自身をいうものである。
(5) 違反の場合の効果
   派遣元責任者を選任しなかった場合又は派遣元責任者の選任が所定の要件を満たさず、若しくは所定の方法により行われていなかった場合は、法第61条第3号に該当し、30万円以下の罰金に処せられる場合がある(第13の1参照)。
   また、許可の取消し(法第14条第1項)、事業停止命令(法第14条第2項、法第21条第2項)、改善命令(法第49条第1項)の対象となり、イの司法処分を受けた場合は、許可の取消し、事業廃止命令(法第21条第1項)の対象となる(第13の2参照)。

 

7.法第37条(派遣元管理台帳の作成、記載及び保存)

(1) 派遣元管理台帳の作成、記載
   概要
 派遣元事業主は、派遣就業に関し、派遣元管理台帳を作成し、当該台帳に派遣労働者ごとにホに掲げる事項を記載しなければならない(法第37条第1項)。
   意義
 派遣元管理台帳は、派遣元事業主が派遣先において派遣就業する派遣労働者の雇用主として適正な雇用管理を行うためのものである。
   派遣元管理台帳の作成の方法
 (イ) 派遣元管理台帳は、派遣元事業主の事業所(第4の1の(2)参照)ごとに作成しなければならない(則第30条第1項)。
 (ロ) 一般派遣元事業主は、派遣労働者の雇用管理が円滑に行われるよう派遣労働者を当該事業所に常時雇用される者とそれ以外の者に分けて作成しなければならない。
 (ハ) 派遣元事業主は、労働基準法第107条第1項の労働者名簿や同法第108条の賃金台帳と派遣元管理台帳とをあわせて調製することができる。
  派遣元管理台帳の記載方法
 (イ) 派遣元管理台帳の記載は、労働者派遣をするに際し、行われなければならない(則第30条第2項)。これは、ホの事項の確定する都度記載していくという意味であり、事項の内容により記載時期は、異なるものである(ホの⑧を除くすべての事項は、労働者派遣をする際には、あらかじめ記載されている必要があるが、⑧の事項については、苦情の申出を受け、及び苦情の処理に当たった都度記載することとなる)。また、派遣先からの派遣就業の実績に関する通知(第9の9の(4)参照)を受けた場合に当該派遣就業の実績があらかじめ予定していた就業の時間等と異なるときは、当該通知を受けた都度当該異なった派遣就業の実績内容を記載しなければならない(則第30条第3項)。
 (ロ) 記載については、所要の事項が記載されておれば足りるものである。
 なお、書面によらず電磁的記録により派遣元管理台帳の作成を行う場合は、電子計算機に備えられたファイルに記録する方法又は磁気ディスク等をもって調製する方法により作成を行わなければならない。
 また、書面によらず電磁的記録により派遣元管理台帳の保存を行う場合は、次のいずれかの方法によって行った上で、必要に応じ電磁的記録に記録された事項を出力することにより、直ちに明瞭かつ整然とした形式で使用に係る電子計算機その他の機器に表示し、及び書面を作成できるようにしなければならない。
  作成された電磁的記録を電子計算機に備えられたファイル又は磁気ディスク等をもって調製するファイルにより保存する方法
  書面に記載されている事項をスキャナ(これに準ずる画像読取装置を含む。)により読み取ってできた電磁的記録を電子計算機に備えられたファイル又は磁気ディスク等をもって調製するファイルにより保存する方法
  派遣元管理台帳の記載事項
 派遣元管理台帳には、次の事項を記載しなければならない(法第37条第1項、則第31条)(第7の2の(1)のイの(ハ)参照)。
 ① 派遣労働者の氏名
 ② 派遣先の氏名又は名称
 ・ 個人の場合は氏名を、法人の場合は名称を記載する。
 ③ 派遣先の事業所の名称
 ④ 派遣先の事業所の所在地その他派遣就業の場所
 第9の4の(3)のイの①から⑤までに掲げる業務以外の業務について労働者派遣を行うときは、派遣先の事業所において当該派遣労働者が就業する最小単位の組織(第9の4の(4)参照)を記載すること。
 ⑤ 労働者派遣の期間及び派遣就業をする日
 ⑥ 始業及び終業の時刻
 ⑦ 従事する業務の種類
 ・ 従事する業務については可能な限り詳細に記載すること。
 ⑧ 派遣労働者から申出を受けた苦情の処理に関する事項
 ・ 苦情の申出を受けた年月日、苦情の内容及び苦情の処理状況について、苦情の申出を受け、及び苦情の処理に当たった都度、記載すること(「派遣元事業主が講ずべき措置に関する指針」第2の3(第8の23参照))。
 ・ 派遣労働者から苦情の申出を受けたことを理由として、当該派遣労働者に対して不利益な取扱いをしてはならない(「派遣元事業主が講ずべき措置に関する指針」第2の3(第8の23参照)。
 ・ なお、苦情の処理に関する事項を派遣労働者ごとに管理している趣旨は、派遣元事業主が派遣労働者の過去の苦情に応じた的確な対応を行うためのものであることに留意すること。
 ⑨ 紹介予定派遣に係る派遣労働者については、当該紹介予定派遣に関する事項
 ・ 紹介予定派遣である旨
 ・ 求人・求職の意思確認等の職業紹介の時期及び内容
 ・ 採否結果
 ・ 紹介予定派遣を受けた派遣先が、職業紹介を受けることを希望しなかった場合又は職業紹介を受けた者を雇用しなかった場合に、派遣先から明示された理由
 ⑩ 派遣元責任者及び派遣先責任者に関する事項
 ⑪ 労働者派遣契約において、派遣先が法第37条第1項第3号に掲げる派遣就業をする日以外の日に派遣就業をさせることができ、又は同項第4号に掲げる始業の時刻から終業の時刻までの時間を延長することができる旨の定めをした場合には、当該派遣就業させることができる日または延長することのできる時間数
 ⑫ 派遣受入期間の制限を受けない業務について行う労働者派遣に関する事項
 ・ 第9の4の(3)のイの①に掲げる業務について労働者派遣を行うときは、当該業務の条番号及び号番号
 ・ 第9の4の(3)のイの②に掲げる有期プロジェクトの業務について労働者派遣を行うときは、法第40条の2第1項第2号イに該当する業務である旨
 ・ 第9の4の(3)のイの③に掲げる日数限定業務について労働者派遣を行うときは、①法第40条の2第1項第2号ロに該当する旨、②当該派遣先において、同号ロに該当する業務が1か月間に行われる日数、③当該派遣先の通常の労働者の1か月間の所定労働日数
 ・第9の4の(3)のイの④に掲げる育児休業等の代替要員としての業務について労働者派遣を行うときは、派遣先において休業する労働者の氏名及び業務並びに当該休業の開始及び終了予定の日
 ・第9の4の(3)のイの⑤に掲げる介護休業等の代替要員としての業務について労働者派遣を行うときは、派遣先において休業する労働者の氏名及び業務並びに当該休業の開始及び終了予定の日
 ⑬ 派遣労働者に係る健康保険、厚生年金保険及び雇用保険の被保険者資格取得届の提出の有無(「無」の場合はその理由を具体的に付すこと。また、手続終了後は「有」に書き換えること。)
(2) 派遣元管理台帳の保存
  概要
 派遣元事業主は、派遣元管理台帳を3年間保存しなければならない(法第37条第2項)。
  意義
 (イ) 派遣元管理台帳の保存は、派遣労働者の派遣就業に関する紛争の解決を図り、行政による監督の用に供するために行うためのものである。
 (ロ) 派遣元管理台帳を保存すべき期間の計算の起算日は、労働者派遣の終了の日とする(則第32条)。
 (ハ) 「労働者派遣の終了」とは、労働者派遣に際し定められた当該派遣労働者に係る派遣期間の終了であり、労働者派遣契約が更新された場合には、当該更新に伴い定められた当該派遣労働者に係る派遣期間の終了とする。ただし、同一の派遣労働者(期間の定めなく雇用されている者を除く。)を同一の就業の場所及び従事する業務の種類において就業させる労働者派遣については、当該労働者派遣契約が更新されていない場合であっても当該派遣就業の終了の日から次の同一の派遣就業の開始の日までの期間が3か月以下のときは労働者派遣の終了とは取り扱わない。
 (ニ) 保存は、当該事業所ごとに行わなければならない。
 (ホ) 紹介予定派遣とそれ以外の派遣については、派遣元管理台帳は別々に管理することが適当である。
(3) 違反の場合の効果
  派遣元管理台帳を所定の方法により作成、記載又は保存しなかった場合は、法第61条第3号に該当し、30万円以下の罰金に処せられる場合がある(第13の1参照)。
  また、許可の取消し(法第14条1項)、事業停止命令(法第14条第2項、法第21条第2項)、改善命令(法第49条第1項)の対象となり、イの司法処分を受けた場合は、許可の取消し、事業廃止命令(法第21条第1項)の対象となる(第13の2参照)。

 

○逐条まとめ

1.法第35条の2第1項(派遣受入期間の制限の適切な運用)

 派遣元事業主は、第四十条の二第一項の規定に違反する最初の日以降継続して労働者派遣を行つてはならない。

法第40条の2第1項

 派遣先は、当該派遣先の事業所その他派遣就業の場所ごとの同一の業務(次に掲げる業務を除く。第三項において同じ。)について、派遣元事業主から派遣可能期間を超える期間継続して労働者派遣の役務の提供を受けてはならない。

(1)趣旨

 派遣先は、事業所その他就業の場所ごとの同一の業務について、派遣元事業主から派遣受入期間を超える期間継続して労働者派遣の役務の提供を受けることはできないため、受入期間の制限を超えて派遣元事業主が労働者派遣を行うことを禁止しているものである。

 したがって、一定の業務以外の業務について派遣元事業主から新たな労働者派遣契約に基づく労働者派遣の役務の提供を受けようとする者は、あらかじめ、派遣元事業主に対し、労働者派遣の役務の提供が開始される日以後当該業務について派遣受入期間の制限に抵触することとなる最初の日を通知しなければならず、また、派遣元事業主は、当該通知がないときは、労働者派遣契約を締結してはならないものである。

 この規定に抵触した場合には、30万円以下の罰金に処せられると規定されている。

 また、許可の取消し、事業停止命令、改善命令の対象となり、許可取消し、事業廃止命令の対象となる。
 

2.法第35条の2第2項(派遣先及び派遣労働者に対する派遣停止の通知)

 派遣元事業主は、法第35条の2第1項に抵触する日以降労働者派遣を行わない旨を派遣先及び労働者

派遣に係る派遣労働者に通知しなければならない。

(1)趣旨

 派遣元事業主から、派遣期間終了間近に派遣先及び派遣労働者に対し、抵触日以降継続して労働者

派遣を行わない旨を通知させる。それにより、当事者間で派遣受入期間の制限を再確認し、派遣受入

期間の制限違反の発生を未然に防止するためのものである。

 また、この通知は派遣労働者への労働契約の申込み義務の要件ともなっており、非常に重要な通知

であることから、通知の義務に違反する派遣元事業主に対しては、十分に指導を行い、指導に従わな

い場合には、許可の取消しを含め、厳しく対応すること

(2)通知の方法

 ⅰ 労働者への通知

 派遣受入期間の制限への抵触日を明示した上で、書面、派遣労働者が希望した場合はファクシミリ又は電子メールにより通知すること

 ⅱ 派遣先への通知

 派遣受入期間の制限への抵触日を明示した上で書面の交付若しくはファクシミリを利用してする送信又は電子メールの送信をする方法による

 

3.法第35条の3(日雇労働者についての労働者派遣の原則禁止)

(1)趣旨

 派遣元は、一定の場合を除きその雇用する日雇労働者について労働者派遣を行つてはならない。

 ※日雇い労働者とは、日々又は三十日以内の期間を定めて雇用する労働者をいう。従って、労働契約の期間が31日以上であれば、労働者派遣契約の期間が30日以内であったとしても、日雇派遣の禁止に違反するものではない。

(2)例外

 労働者派遣の対象となる日雇労働者の適正な雇用管理に支障を及ぼすおそれがないと認められる業務(令第4条)

 ア プログラマー

 イ 機械の設計の業務

 ウ 事務機器の操作の業務

 エ 通訳、翻訳、速記

 オ 重役秘書

 カ 文書磁気テープ等のファイリングの業務

 キ 新商品のマーケティング

 ケ 財務諸表の作成等の業務

 コ 貿易に付随する事務

 サ 高度な機械、機器の操作説明の業務

 シ 旅行業の一定の業務

 ス 催事の受付、コンパニオンの業務

 セ 新製品等の研究

 ソ 調査、企画、立案

 タ 作家、雑誌等の編集

 チ デザイナー

 ツ ソフトの操作の説明

 テ 金融商品のトレーダー等

雇用の機会の確保が特に困難であると認められる労働者の雇用の継続等を図るために必要であると認められる場合等

 ア 労働者派遣の対象となる日雇労働者が60歳以上である場合

 イ 学校の学生又は生徒である場合雇用保険の適用を受けない昼間学生の範囲と同一である者

 ウ 日雇労働者の生業収入の額が500万円以上である場合

 エ 日雇労働者が主として生計を一にする配偶者の収入により生計を維持している場合

  であって、世帯収入が500万円以上である場合

(3)違反の場合

 派遣元事業主が違反した場合、許可の取消し、事業停止命令、改善命令の対象となる。

 

4.法第35条の4(離職した労働者についての労働者派遣の禁止)

 派遣元事業主は、第四十条の六第一項の規定に抵触することとなるときは、当該労働者派遣を行つてはならない。

(1)趣旨

 派遣先を離職した後1年を経過しない労働者(60歳以上の定年退職者を除く。)を派遣労働者として当該派遣先へ労働者派遣することを禁止するもの。

 また、「派遣先」とは、事業者単位で捉えられるものであり、例えば、ある会社のA事業所を離職した労働者を同じ会社のB事業所へ派遣することは、離職後1年を経過しない場合は認められないこと。なお、グループ企業への派遣に関しては、同一の事業者には該当しないため、離職した労働者についての労働者派遣の禁止対象になるものではないこと。

 

5.法第36条(派遣元責任者の選任)

(1)派遣元責任者の欠格事由

 ① 禁錮以上の刑に処せられ、「許可の欠格事由」の罪を犯したことにより、罰金の刑に処せられ、
  その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して5年を経過しない者
 ② 成年被後見人若しくは被保佐人又は破産者で復権を得ないもの
 ③ 一般労働者派遣事業の許可を取り消され、又は特定労働者派遣事業の廃止を命じられ、
  当該取消し又は命令の日から起算して5年を経過しない者
 ④法人である場合において、当該取消し又は命令の処分を受ける原因となった事項が発生した
 当時に当該法人の役員であった者で、当該取消し又は命令の日から起算して5年を経過しないもの
 ⑤ 許可の取消し又は特定労働者派遣事業の廃止の命令の処分の通知があった日から処分をする日
 又は処分をしないことを決定する日までの間に一般労働者派遣事業又は特定労働者派遣事業の廃止
 の届出をした者で、その届出の日から起算して5年を経過しないもの
 ⑥ ⑤の期間内に廃止の届出をした者が法人である場合において、聴聞の通知の日前60日以内にその
 法人の役員であった者で、当該届出の日から起算して5年を経過しないもの
 ⑦ 暴力団員又は暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者
 ⑧ 未成年者
(2)派遣元責任者の選任方法

 イ  派遣元事業主の事業所ごとに、専属の派遣元責任者として自己の雇用する労働者の中から選任すること。

  ただし、派遣元事業主(法人の場合は、その役員)を派遣元責任者とすることを妨げない。

 ロ 従事する派遣労働者の数について1人以上100人以下を1単位とし、1単位につき1人以上

  ずつ選任しなければならない。

(3) 派遣元責任者講習の受講

 一般労働者派遣事業の派遣元責任者については、派遣元責任者として在任中は3年ごとに「派遣元責任者講習」を受講するよう指導を行うこと。

 また、特定労働者派遣事業の派遣元責任者についても、可能な限り受講するよう指導を行うこと。  

(3)製造業務専門派遣元責任者の選任

 ア 物の製造の業務に従事させる派遣労働者の数について1人以上100人以下を1単位とし、1単位につき1人以上ずつ、物の製造の業務に従事させる派遣労働者を専門に担当する者(以下、「製造業務専門派遣元責任者」という。)を選任しなければならない。※うち一人は兼任可

 イ 物の製造業務へ派遣された派遣労働者を担当する派遣元責任者と、それ以外の業務へ派遣された派遣労働者を担当する派遣元責任者とを区分して選任するものである。

(4) 派遣元責任者の職務

 ① 派遣労働者であることの明示等(7参照)
 ② 就業条件等の明示(9参照)
 ③ 派遣先への通知(11参照)
 ④ 派遣先及び派遣労働者に対する派遣停止の通知(13参照)
 ⑤ 派遣元管理台帳の作成、記載及び保存(17参照)
 ⑥ 派遣労働者に対する必要な助言及び指導の実施

 ⑦ 派遣労働者から申出を受けた苦情の処理
 ⑧ 派遣先との連絡・調整
 ⑨ 派遣労働者の個人情報の管理に関すること

 ⑩ 安全衛生に関すること

 ※健康診断、安全衛生に関する事項の実施状況の確認、事故等が発生した場合の

  内容・対応状況の確認 

(5)違反した場合

 違反した場合は、、30万円以下の罰金に処せられる旨の規定がある。

 また、許可の取消し、事業停止命令、改善命令の対象となり、司法処分を受けた場合は、許可の取消し、事業廃止命令の対象となる。

 

6.法第37条(派遣元管理台帳の作成、記載及び保存)

 派遣元事業主は、派遣元の事業所ごとに派遣元管理台帳を作成し、その台帳に派遣労働者ごとに次に掲げる事項を記載しなければならない。

 この場合、派遣労働者を当該事業所に常時雇用される者とそれ以外の者に分けて作成しなければならない。

 また、労働基準法の規定による賃金台帳と派遣元管理台帳とをあわせて調製することができる。

(1)記載内容

 ① 派遣労働者の氏名
 ② 派遣先の氏名(個人)又は名称(法人)
 ③ 派遣先の事業所の名称
 ④ 派遣先の事業所の所在地その他派遣就業の場所
 ⑤ 労働者派遣の期間及び派遣就業をする日
 ⑥ 始業及び終業の時刻
 ⑦ 従事する業務の種類(可能な限り詳細に記載)
 ⑧ 派遣労働者から申出を受けた苦情の処理に関する事項
 ⑨ 紹介予定派遣に係る派遣労働者については、当該紹介予定派遣に関する事項
 ・ 紹介予定派遣である旨
 ・ 求人・求職の意思確認等の職業紹介の時期及び内容
 ・ 採否結果
 ・ 紹介予定派遣を受けた派遣先が、職業紹介を受けることを希望しなかった場合又は
  職業紹介を受けた者を雇用しなかった場合に、派遣先から明示された理由
 ⑩ 派遣元責任者及び派遣先責任者に関する事項
 ⑪ 労働者派遣契約において、休日労働又は時間外労働ができる旨、時間外労働の時間数
 ⑫ 派遣受入期間の制限を受けない業務について行う労働者派遣に関する事項
 ⑬ 派遣労働者に係る健康保険、厚生年金保険及び雇用保険の被保険者資格取得届の提出の有無

(2)派遣元管理台帳の記載方法

 ア 派遣元管理台帳の記載は、労働者派遣をするに際し、行われなければならない

 イ 記載については、所要の事項が記載されておれば足りる

 ウ 電子計算機に備えられたファイル又は磁気ディスク等をもって調製するファイルにより

   保存する方法  

 エ スキャナ等により読み取ってできた電磁的記録を電子計算機に備えられたファイル又は

   磁気ディスク等をもって調製するファイルにより保存する方法

(3)派遣元管理台帳の保存

 派遣元事業主は、派遣元管理台帳を3年間保存しなければならない。また、保存は、当該事業所ごとに行わなければならない。さらに、紹介予定派遣とそれ以外の派遣については、派遣元管理台帳は別々に管理することが適当である。

(4)違反の場合

 違反の場合、30万円以下の罰金に処せられる旨の規定がある。

 また、許可の取消し、事業停止命令、改善命令の対象となり、司法処分を受けた場合は、許可の取消し、事業廃止命令の対象となる。

 

 

 

 

以上で労働者派遣法第35条の2・第35条の3・第35条の4・第36条・第37条を終了します。