労働者派遣法第5条、第6条

2015年06月13日 15:02

労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律

第5条(一般労働者派遣事業の許可

 一般労働者派遣事業を行おうとする者は、厚生労働大臣の許可を受けなければな

ない。

2 前項の許可を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した申請書を厚生

大臣に提出しなければならない。

一 氏名又は名称及び住所並びに法人にあつては、その代表者の氏名

二 法人にあつては、その役員の氏名及び住所

三 一般労働者派遣事業を行う事業所の名称及び所在地

 四 第三十六条の規定により選任する派遣元責任者の氏名及び住所

3 前項の申請書には、一般労働者派遣事業を行う事業所ごとの当該事業に係る

事業計画書その他厚生労働省令で定める書類を添付しなければならない。

4 前項の事業計画書には、厚生労働省令で定めるところにより、一般労働者派遣事業を行う事業所ごとの当該事業に係る派遣労働者の数、労働者派遣に関する料金の額その他労働者派遣に関する事項を記載しなければならない。

5 厚生労働大臣は、第一項の許可をしようとするときは、あらかじめ、労働政策審議会の意見を聴かなければならない。

 

則第1条の2(許可の申請手続)

 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(以下「法」という。)第五条第二項の申請書は、一般労働者派遣事業許可申請書(様式第一号)のとおりとする。

2 法第五条第三項の厚生労働省令で定める書類は、次のとおりとする。

一 申請者が法人である場合にあつては、次に掲げる書類

イ 定款又は寄附行為

ロ 登記事項証明書

ハ 役員の住民票の写し(出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)第十九条の三に規定する中長期在留者にあつては住民票の写し(国籍等(住民基本台帳法(昭和四十二年法律第八十一号)第三十条の四十五に規定する国籍等をいう。以下この号において同じ。)及び在留資格(出入国管理及び難民認定法第二条の二第一項に規定する在留資格をいう。)を記載したものに限る。)とし、日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法(平成三年法律第七十一号)に定める特別永住者にあつては住民票の写し(国籍等及び同法に定める特別永住者である旨を記載したものに限る。)とし、出入国管理及び難民認定法第十九条の三第一号に掲げる者にあつては旅券その他の身分を証する書類の写しとする。以下同じ。)及び履歴書

ニ 役員が未成年者で一般労働者派遣事業に関し営業の許可を受けていない場合にあつては、次に掲げる場合の区分に応じ、それぞれ次に定める書類

(1) 当該役員の法定代理人が個人である場合 当該法定代理人の住民票の写し及び履歴書

(2) 当該役員の法定代理人が法人である場合 当該法定代理人に係るイからハまでに掲げる書類(法定代理人の役員が未成年者で一般労働者派遣事業に関し営業の許可を受けていない場合にあつては、当該役員の法定代理人(法人に限る。)に係るイからハまでに掲げる書類又は当該役員の法定代理人(個人に限る。)の住民票の写し及び履歴書を含む。)

ホ 一般労働者派遣事業を行う事業所ごとの個人情報の適正管理及び秘密の保持に関する規程(以下「個人情報適正管理規程」という。)

ヘ 最近の事業年度における貸借対照表及び損益計算書

ト 一般労働者派遣事業に関する資産の内容及びその権利関係を証する書類

チ 一般労働者派遣事業を行う事業所ごとに選任する派遣元責任者の住民票の写し及び履歴書

二 申請者が個人である場合にあつては、次に掲げる書類

イ 住民票の写し及び履歴書

ロ 申請者が未成年者で一般労働者派遣事業に関し営業の許可を受けていない場合にあつては、次に掲げる場合の区分に応じ、それぞれ次に定める書類

(1) 当該申請者の法定代理人が個人である場合 当該法定代理人の住民票の写し及び履歴書

(2) 当該申請者の法定代理人が法人である場合 当該法定代理人に係る前号イからハまでに掲げる書類(法定代理人の役員が未成年者で一般労働者派遣事業に関し営業の許可を受けていない場合にあつては、当該役員の法定代理人(法人に限る。)に係る前号イからハまでに掲げる書類又は当該役員の法定代理人(個人に限る。)の住民票の写し及び履歴書を含む。)

ハ 前号ホ、ト及びチに掲げる書類

3 法第五条第三項の規定により添付すべき事業計画書は、一般労働者派遣事業計画書

(様式第三号)のとおりとする。

4 法第二条第六号に規定する特定派遣元事業主(以下「特定派遣元事業主」という。)が

法第五条第一項の規定による一般労働者派遣事業の許可を申請するときは、法人にあつて

は第二項第一号イからハまでに掲げる書類を、個人にあつては同項第二号イに掲げる書類

を添付することを要しない。

 

第6条(許可の欠格事由)

 次の各号のいずれかに該当する者は、前条第一項の許可を受けることができない。

一 禁錮以上の刑に処せられ、又はこの法律の規定その他労働に関する法律の規定(次号に規定する規定を除く。)であつて政令で定めるもの若しくは暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成三年法律第七十七号)の規定(同法第五十条(第二号に係る部分に限る。)及び第五十二条の規定を除く。)により、若しくは刑法(明治四十年法律第四十五号)第二百四条、第二百六条、第二百八条、第二百八条の二、第二百二十二条若しくは第二百四十七条の罪、暴力行為等処罰に関する法律(大正十五年法律第六十号)の罪若しくは出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)第七十三条の二第一項の罪を犯したことにより、罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から起算して五年を経過しない者

二 健康保険法(大正十一年法律第七十号)第二百八条、第二百十三条の二若しくは第二百十四条第一項、船員保険法(昭和十四年法律第七十三号)第百五十六条、第百五十九条若しくは第百六十条第一項、労働者災害補償保険法(昭和二十二年法律第五十号)第五十一条前段若しくは第五十四条第一項(同法第五十一条前段の規定に係る部分に限る。)、厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)第百二条、第百三条の二若しくは第百四条第一項(同法第百二条又は第百三条の二の規定に係る部分に限る。)、労働保険の保険料の徴収等に関する法律(昭和四十四年法律第八十四号)第四十六条前段若しくは第四十八条第一項(同法第四十六条前段の規定に係る部分に限る。)又は雇用保険法(昭和四十九年法律第百十六号)第八十三条若しくは第八十六条(同法第八十三条の規定に係る部分に限る。)の規定により罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から起算して五年を経過しない者

三 成年被後見人若しくは被保佐人又は破産者で復権を得ないもの

四 第十四条第一項(第一号を除く。)の規定により一般労働者派遣事業の許可を取り消され、又は第二十一条第一項の規定により特定労働者派遣事業の廃止を命じられ、当該取消し又は命令の日から起算して五年を経過しない者

五 第十四条第一項の規定により一般労働者派遣事業の許可を取り消された者が法人である場合(同項第一号の規定により許可を取り消された場合については、当該法人が第一号又は第二号に規定する者に該当することとなつたことによる場合に限る。)又は第二十一条第一項の規定により特定労働者派遣事業の廃止を命じられた者が法人である場合(当該法人が第一号又は第二号に規定する者に該当することとなつたことによる場合に限る。)において、当該取消し又は命令の処分を受ける原因となつた事項が発生した当時現に当該法人の役員(業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者をいい、相談役、顧問その他いかなる名称を有する者であるかを問わず、法人に対し業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者と同等以上の支配力を有するものと認められる者を含む。以下この条において同じ。)であつた者で、当該取消し又は命令の日から起算して五年を経過しないもの

六 第十四条第一項の規定による一般労働者派遣事業の許可の取消し又は第二十一条第一項の規定による特定労働者派遣事業の廃止の命令の処分に係る行政手続法(平成五年法律第八十八号)第十五条の規定による通知があつた日から当該処分をする日又は処分をしないことを決定する日までの間に第十三条第一項の規定による一般労働者派遣事業の廃止の届出又は第二十条の規定による特定労働者派遣事業の廃止の届出をした者(当該事業の廃止について相当の理由がある者を除く。)で、当該届出の日から起算して五年を経過しないもの

七 前号に規定する期間内に第十三条第一項の規定による一般労働者派遣事業の廃止の届出又は第二十条の規定による特定労働者派遣事業の廃止の届出をした者が法人である場合において、同号の通知の日前六十日以内に当該法人(当該事業の廃止について相当の理由がある法人を除く。)の役員であつた者で、当該届出の日から起算して五年を経過しないもの

八 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律第二条第六号に規定する暴力団員(以下この号において「暴力団員」という。)又は暴力団員でなくなつた日から五年を経過しない者(以下この条において「暴力団員等」という。)

九 営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者であつて、その法定代理人が前各号又は次号のいずれかに該当するもの

十 法人であつて、その役員のうちに前各号のいずれかに該当する者があるもの

十一 暴力団員等がその事業活動を支配する者

十二 暴力団員等をその業務に従事させ、又はその業務の補助者として使用するおそれのある者

 

業務取扱要領の関連項目 抜粋

 労働者派遣事業のもっとも重要な項目は、「派遣事業の許可基準及び法に即した運用・管

」といえますが、それらは次条以降に譲るとして、ここでは「許可手続一般」及び「欠格事

由」について記述、考察します。

2 事業主の手続の原則
(1) 書類の提出の経由
   1に掲げた労働者派遣事業に係る許可、届出等の手続を行うに際し、事業主が厚生労働大臣に提出する書類(申請書、届出書等だけではなく、これらに添付すべきこととされている書類を含む。)は、原則として当該事業主の主たる事務所の所在地を管轄する都道府県労働局(以下「事業主管轄労働局」という。)を経て厚生労働大臣に提出される(則第19 条)。
 ただし、事業所における次に掲げる事項のみを申請又は届け出るときは、当該事項に係る事業所の所在地を管轄する労働局(以下「事業所管轄労働局」という。)へ書類を提出しても差し支えない。
 ① 一般労働者派遣事業及び特定労働者派遣事業の変更の届出
  (第4の3の(1)のイ、第5の2の(1)のイ参照)
 ② 許可証再交付の申請(第4の4の(2)参照)
 ③ 許可証の返納(第4の4の(3)参照)
   したがって、各手続において、書類の提出期限が定められている場合における期限内か否かの判断は、原則として事業主管轄労働局に提出された時点を基準に行う。
(2) 提出すべき書類の部数
   (1)のイについて提出すべき書類(許可証を除く。)の部数は、正本一通及びその写し二通であり、原則として事業主管轄労働局に提出する。ただし、各手続における申請書、届出書等以外の添付書類(一般労働者派遣事業計画書及び特定労働者派遣事業計画書を除く。)(第4の1の(3)のニ等参照)については、正本一通及びその写し一通で足るものである(則第20 条)。
   このうち、正本一通については本省に送付するとともに、写し一通は管轄労働局が保管する(第4の7の(3)及び第5の5の(2)参照)。残りの写し一通(イのただし書による添付書類は含まないもの)は、書類の提出者に控えとして渡すこととする。
3) 許可権者等
  1に掲げた労働者派遣事業に係る許可、届出等の手続に際し、書類の提出は原則として事業主管轄労働局を経由して行われるが、許可、許可の有効期間の更新等の権限は全て厚生労働大臣が有するものである。
  したがって、許可等の申請については、都道府県労働局を経由する段階では関係書類の「受付」が行われるのであって、都道府県労働局は、①必要な書類が添付されていること、②書面に記入もれがないこと及び記入事項に誤りがないこと等を確認した上で、関係書類を本省に送付し、最終的に本省に到達した段階で「申請に対する処分(許可等)」が行われる
   なお、届出については、届出書の記載事項に不備がないこと、届出書に必要な書類が添付されていることその他の法令に定められた届出の形式上の要件に適合している場合は、都道府県労働局において「受理」が行われる。
 
手数料の納付
(1) 概要
 1に掲げた手続のうち次表①欄に掲げる手続を行おうとする者はそれぞれ同表②欄に定める手数料を納付しなければならない(法第54 条、令第9条)。
 一般労働者派遣事業の許可申請(様式第1号)  
  120,000円+55,000円×(一般労働者派遣事業を行う事業所の数から一を減じた数)
 許可証の亡失または滅失の際の許可証の再交付申請(様式第5号
  許可証1枚につき1,500円
 一般労働者派遣事業の許可の有効期間の更新申請(様式第1号
  55,000円×(一般労働者派遣事業を行う事業所の数)
 許可証の書換申請(様式第5号
(一般労働者派遣事業において氏名若しくは名称、所在地、事業所の名称又は事業所の所在地を変更する場合。)
  許可証1枚につき3,000円
(2) 手数料の納付方法
 手数料は上表①欄に掲げる手続を行う者がそれぞれ同表③欄に掲げる申請書に、同表②欄に掲げる額に相当する額の収入印紙を貼って納付しなければならない(則第54 条第1項)。
(3) 手数料の返還
 手数料は、それぞれの申請書を受理し、受理印を押印し当該収入印紙に消印した後は返還しないものであること(則第54 条第2項)。

 

4 登録免許税の課税
(1) 概要
   1に掲げた手続のうち、一般労働者派遣事業の許可申請を行おうとする者は登録免許税を納付しなければならない(登録免許税法(昭和42 年法律第35 号)第3条)。ただし、国及び登録免許税法別表第2に掲げる者については、登録免許税が課されないこと(登録免許税法第4条第1項)。
  納税額として、許可一件当たり9万円が課されること(登録免許税法別表第1第81 号)。
(2) 登録免許税の納付方法
 登録免許税については、登録免許税の納付に係る領収証書を申請書(様式第1号の第1面の裏面)に貼って提出するものとすること(登録免許税法第21 条)。納付方法は、現金納付が原則であり、国税の収納機関である日本銀行、日本銀行歳入代理店(銀行等や郵便局)又は都道府県労働局の所在地を管轄する税務署において、登録免許税の相当額を現金で納付するものであること(国税通則法(昭和37 年法律第66 号)第34 条)。
(3) 納期限について
 登録免許税の納期限(許可日(登録免許税第27 条))までに、領収証書の提出がなく、納付の確認ができない場合には、許可を受けた者の当該登録免許税に係る同法第8条第2項の規定による納税地の所轄税務署長に対し、その旨を次の様式例(略)により通知すること。
(4) 還付について
 登録免許税の納付をして許可の申請をした者につき当該申請が却下された場合及び当該申請の取り下げがあった場合には、納付された登録免許税の額及び登録免許税法施行令第31 条に規定する事項を許可の申請をした者の当該登録免許税に係る同法第8条第2項の規定による所轄税務署長に対し、次の様式例(略)により通知すること。

 

一般労働者派遣事業の許可等

 
1 許可手続
(1) 一般労働者派遣事業の許可
  一般労働者派遣事業を行おうとする者は、厚生労働大臣に対して、許可を申請しなければならない(法第5条第1項)。
  イの許可の申請は、(3)に掲げる許可申請関係書類を事業主管轄労働局に提出することにより行う(法第5条第2項から第4項まで、則第19 条)。
 なお、許可は「事業主」ごとに行うものであるが、事業主は申請に際して一般労働者派遣事業を行おうとする各事業所の名称等について申請書に記載するとともに、事業所ごとに事業計画書等の書類を提出することが必要である(法第5条第2項から第4項まで)。
   申請を受けた事業主管轄労働局及び事業所管轄労働局においては、速やかに(5)の許可要件について、(3)に掲げる許可申請関係書類、実地調査等により確認し、その結果を事業主管轄労働局を経由して本省に報告する(7の(3)参照)。
  なお、事業主としては、一般労働者派遣事業を行う事業所と特定労働者派遣事業を行う事業所の双方を持ちうるが、同一の事業所において一般労働者派遣事業と特定労働者派遣事業の双方を行いうるものではない(第1の3の(4)参照)。
  許可の申請に際し、特定製造業務(物の製造の業務で、第9の4の(3)のイの④及び⑤以外のもの)を行う場合には、その旨を記載した申請書を提出しなければならない。(法附則第4項)なお、物の製造の業務とは、具体的には、物を溶融、鋳造、加工、又は組み立て、塗装する業務、製造用機械の操作の業務及びこれらと密接不可分の付随業務として複数の加工・組立て業務を結ぶ場合の運搬、選別、洗浄等の業務をいうものである。
 したがって、例えば、製品の設計、製図の業務、物を直接加工し、又は組み立てる業務等の工程に原料、半製品等を搬入する業務、加工、組立て等の完了した製品を運搬、保管、包装する業務、製造用機械の点検の業務、製品の修理の業務はこれに含まれない。林業の業務は、造林作業(①地ごしらえ、②植栽、③下刈り、④つる切り、⑤除伐、⑥枝打、⑦間伐)及び素材(丸太)生産作業(①伐採(伐倒)、②枝払い、③集材、④玉切り(造材))に分けることができるが、このうち素材(丸太)生産作業については、立木を伐採し、最終的に丸太という人工物に「加工」するものであり、製造業務に該当するものであること、①から④までの業務が時間的にも空間的にも連続的・一体的に営まれる業務であることから、素材(丸太)生産作業のすべての業務が製造業務に該当するものである。
 また、造林作業の③から⑦までの業務は労働者派遣の対象となるものである(第2の2の(3)のハ参照)が、これらの業務と素材(丸太)生産作業の業務を同一の派遣労働者が同時に併せて行う場合は、当該労働者派遣に製造業務が含まれているため、全体として製造業務に該当するものである。
 なお、林業における労働災害の発生頻度は、他産業に比べ高い水準にあることに鑑み、労働者派遣の受け入れに当たっては、労働安全衛生法等に十分に留意すること。
 また、労働者派遣事業の対象となる業務については、安全衛生の徹底を図るため、以下の措置等を講ずることとしているので、十分留意すること。
 ① 労働者派遣契約に安全及び衛生に関する事項を記載すること(第7の2の(1)のイの(ハ)の⑥参照)。
 ② 物の製造の業務に労働者派遣を行う場合には、製造業務専門派遣元責任者及び製造業務専門派遣先責任者を選任すること(第8の16 の(3)のニ、第9の8の(4)のニ参照)。
 ③ 派遣元責任者及び派遣先責任者は、派遣労働者の安全及び衛生に関し、必要な連絡調整を行うこと(第8の16 の(4)の⑩、第9の8の(5)のホ参照)。
 ④ 派遣先は、派遣元事業主が派遣労働者の安全衛生に係る措置を実施するために必要な協力や配慮を行うこと(第9の3の(5)参照)。
 
(2) 「事業所」の意義
   「事業所」とは、労働者の勤務する場所又は施設のうち、事業の内容としての活動が有機的、組織的に行われる場所のことであり、作業組織上相当の独立性を有するものである。
  具体的には雇用保険の適用事業所に関する考え方と基本的には同一であり、次の要件に該当するか否かを勘案することによって判断する。
 ① 場所的に他の(主たる)事業所から独立していること。
 ② 経営(又は業務)単位としてある程度の独立性を有すること。すなわち、人事、経理、経営(又は業務)上の指導監督、労働の態様等においてある程度の独立性を有すること。
 ③ 一定期間継続し、施設としての持続性を有すること。労働者の勤務する場所又は施設が①、②及び③の全てに該当する場合並びに事業主が法人である場合であってその登記簿上の本店又は支店に該当するときは、もとより、一の事業所として取り扱うものであるが、それ以外の場合であっても、他の社会保険の取扱い等によっては、一の事業所と認められる場合があるから、実態を把握の上慎重に事業所か否かの判断を行う。
   事業主が許可を受け、及び届け出る必要があるのは、イ及びロにより「事業所」とされたもののうち、「一般労働者派遣事業を行う事業所」であるが、これについては、次のように判断する。
 (イ) 実質的に一般労働者派遣事業の内容となる業務処理の一部又は全部を行っている事業所であること。すなわち、派遣労働者に対し派遣就業の指示を行い労働に従事させていると評価できる事業所であって、具体的には、法第34 条の就業条件の明示、派遣労働者に係る労働契約の締結若しくは派遣労働者となろうとする者の登録、派遣労働者に係る雇用管理の実施等の事務の処理機能を有しているいわば、派遣労働者が帰属する事業所である(ロの①に該当する事業所(特に異なった都道府県に所在する事業所)については、このように判断される蓋然性が極めて高くなるので留意すること。)。
 一般労働者派遣事業の事業所の事業主が法人である場合の登記簿上の本店又は支店であっても同様の基準により判断する。
 (ロ) なお、(イ)の基準により一般労働者派遣事業の内容となる業務処理を行っている場所又は施設がイ及びロにより「事業所」に該当しないと認められる場合(そのようなことは通常考えられない。)は、当該施設が他の一般労働者派遣事業を行う事業所に附属し一般労働者派遣事業を行っているものとして取り扱う。この場合において、事業主が許可を受け及び届け出る必要があるのは、当該「他の一般労働者派遣事業を行う事業所」である。
 (ハ) 派遣労働者の教育訓練のみを行う事業所、派遣労働者の募集のみを行う事業所、派遣先の開拓のみを行う事業所、一般労働者派遣事業に係る会計、財務の処理のみを行っている事業所等については、一般労働者派遣事業を行う事業所ではないと判断されるものである。
 (ニ) (イ)の派遣労働者となろうとする者の登録申込みについて、真に偶発的にこれを受理するに過ぎない場合には一般労働者派遣事業の許可を要するものではないが、(ハ)のような業務を行う事業所については、その事業内容からも、登録申込みの受理を行う場合には業として労働者派遣事業(の一部)を行っていると解される蓋然性が高く、一般労働者派遣事業を行う事業所として許可を受け、及び届け出ることが適当である。また、当該事業所において、登録の申込みの受理が繰り返し行われる場合には、業として労働者派遣事業(の一部)を行っていると解されるものであることから、一般労働者派遣事業を行う事業所としての許可及び届出が必要である。
 (ホ) (イ)により、一般労働者派遣事業を行う事業所と判断した事業所が現実の雇用保険の取扱いにおいては、事業所非該当施設とされている場合にあっては、雇用保険部門にその旨連絡し、同一の行政機関が行う「事業所」に関する判断に矛盾が生じない整理を行うこと。
              
(3) 許可申請関係書類
 一般労働者派遣事業の許可申請関係書類は法人及び個人の区分に応じ次のイ及びロのとおりとする(法第5条第2項から第4項まで、則第1条の2第1項から第3項まで)(一般労働者派遣事業関係手続に要する書類の総括については8参照)。
   法人の場合
 (イ) 一般労働者派遣事業許可申請書(様式第1号)(4欄の⑤には、派遣元責任者が派遣元責任者講習を受講した年月日及び場所に加えて、派遣元責任者講習受講証明書(様式第18 号)に記載された番号を付記すること。)
 (ロ)一般労働者派遣事業を行う事業所ごとの当該事業に係る事業計画書(様式第3号)
 (ハ) 定款又は寄附行為
 (ニ) 登記事項証明書
 (ホ) 役員の住民票の写し(本籍地の記載のあるものに限る。出入国管理及び難民認定法(昭和26 年政令第319 号。以下「入管法」という。)第19 条の3に規定する中長期在留者にあっては、住民票の写し(国籍等(住民基本台帳法(昭和42 年法律第81 号)第30 条の45 に規定する国籍等をいう。以下同じ。)及び在留資格(入管法第2条の2第1項に規定する在留資格をいう。)を記載したものに限る。)とし、日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法(平成3年法律第71 号)に定める特別永住者にあっては、住民票の写し(国籍等及び同法に定める特別永住者である旨を記載したものに限る。)とし、入管法第19 条の3第1号に掲げる者にあっては、旅券その他の身分を証する書類の写しとする。以下同じ。)及び履歴書(職歴、賞罰及び役職員への就任解任状況を明らかにしたものであることが必要。以下同じ。)
 (ヘ) 役員(以下この(ヘ)において「役員甲」とする。)が未成年者のため、労働者派遣事業に関し法定代理人から営業の許可を受けていない場合は、a・b の区分に応じ、それぞれa・b の書類(ただし、役員甲が法定代理人から営業の許可を受けている場合は、その法定代理人の許可を受けたことを証する書面(未成年者に係る登記事項証明書))
 a 役員甲の法定代理人が個人である場合
  役員甲の法定代理人の住民票の写し及び履歴書
 b 役員甲の法定代理人が法人である場合
  役員甲の法定代理人の定款又は寄附行為、登記事項証明書並びに役員の住民票の写し及び履歴書(ただし、役員甲の法定代理人の役員(以下この(ヘ)において「役員乙」とする。)が未成年者のため、労働者派遣事業に関し法定代理人から営業の許可を受けていない場合は、a・bの区分に準じ、それぞれa・bの書類(役員乙が法定代理人から営業の許可を受けている場合は、その法定代理人の許可を受けたことを証する書面(未成年者に係る登記事項証明書))を含む。さらに、法定代理人の役員について、同様の事例が続く限り、前記と同様に取り扱うこと。)
 (ト) 一般労働者派遣事業を行う事業所ごとの個人情報適正管理規程(「派遣元事業主が講ずべき措置に関する指針」第2の10 の(2)のハの(イ)から(ニ)までの内容が含まれていることが必要(第8の23 参照)。)
 (チ) 最近の事業年度における貸借対照表、損益計算書及び株主資本等変動計算書(持分会社にあっては、社員資本等変動計算書。以下「株主資本等変動計算書等」という。)(税務署に提出したもの。ただし、最近の事業年度における決算が終了しているが株主総会の承認を得られていないため未だ税務署に提出していない場合については、当該決算に係る貸借対照表、損益計算書及び株主資本等変動計算書等が確実に税務署に提出される場合には、当該貸借対照表、損益計算書及び株主資本等変動計算書等であっても差し支えない。また、この場合(リ)のaの①及び②を提出させる必要はない。設立後最初の決算期を終了していない法人の申請に係る場合は、会社法(平成17 年法律第86 号)第435 条第1項に規定する会社成立時の貸借対照表、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(平成18 年法律第48 号)第123 条第1項(同法第199 条において準用する場合を含む。)に規定する法人成立時の貸借対照表等のみでよい。)
 (リ) 一般労働者派遣事業に関する資産の内容及びその権利関係を証する書類
 ① 最近の事業年度における法人税の納税申告書の写し(税務署の受付印のあるもの(電子申請の場合にあっては、税務署に受け付けられた旨が確認できるもの。以下同じ。)に限る。法人税法施行規則別表1及び4は、必ず提出させること。)
(なお、連結納税制度を採用している法人については次に掲げる書類
・ 最近の連結事業年度における連結法人税の納税申告書の写し(連結親法人の所轄税務署の受付印のあるものに限る。法人税法施行規則別表1の2「各連結事業年度分の連結所得に係る申告書」の写し及び同申告書添付書類「個別帰属額等の一覧表」の写しのみでよい。ただし、別表7の2付表2「連結欠損金個別帰属額に関する明細書」が提出される場合には、その写しを併せて提出させること。)
・ 最近の連結事業年度の連結法人税の個別帰属額の届出書(申請法人に係るものに限る。)の写し(税務署に提出したもの。ただし当該届出書の別表にあっては別表4の2付表「個別所得の金額の計算に関する明細書」の写しのみでよい。))
 ② 納税証明書(国税通則法施行令第41 条第1項第3号ロに係る同施行規則別紙第8号様式(その2)による法人の最近の事業年度における所得金額に関するもの)(なお、連結納税制度を採用している法人については納税証明書(国税通則法施行令第41条第1項第3号ロに係る同施行規則別紙第8号様式(その2)による最近の連結事業年度における連結所得金額に関するもの))(設立後最初の決算を終了していない法人の申請に係る場合は、①及び②は不要。)
   一般労働者派遣事業を行う事業所ごとの事業所の使用権を証する書類(不動産の登記事項証明書又は不動産賃貸借(使用貸借)契約書の写し(転貸借の場合にあっては、その所有者の転貸借に係る同意書その他権利関係を証する書類を含む。以下同じ。))
 (ヌ) 一般労働者派遣事業を行う事業所ごとの派遣元責任者の住民票の写し及び履歴書(派遣元責任者と役員が同一である場合においては、提出を要しない。)ロ個人の場合
 (イ) 一般労働者派遣事業許可申請書(様式第1号)(4欄の⑤には、派遣元責任者が派遣元責任者講習を受講した年月日及び場所に加えて、派遣元責任者講習受講証明書(様式第18 号)に記載された番号を付記すること。)
 (ロ)一般労働者派遣事業を行う事業所ごとの当該事業に係る事業計画書(様式第3号)
 (ハ) 住民票の写し及び履歴書
 (ニ) 申請者が未成年者のため、労働者派遣事業に関し法定代理人から営業の許可を受けていない場合は、a・bの区分に応じ、それぞれa・bの書類(ただし、申請者が法定代理人から営業の許可を受けている場合は、その法定代理人の許可を受けたことを証する書面(未成年者に係る登記事項証明書))
  申請者の法定代理人が個人である場合
 申請者の法定代理人の住民票の写し及び履歴書b 申請者の法定代理人が法人である場合申請者の法定代理人の定款又は寄附行為、登記事項証明書並びに役員の住民票の写し及び履歴書(ただし、申請者の法定代理人の役員(以下この(ニ)において「役員丙」とする。)が未成年者のため、労働者派遣事業に関し法定代理人から営業の許可を受けていない場合は、a・bの区分に準じ、それぞれa・bの書類(ただし、役員丙が法定代理人から営業の許可を受けている場合は、その法定代理人の許可を受けたことを証する書面(未成年者に係る登記事項証明書))を含む。さらに、法定代理人の役員について、同様の事例が続く限り、前記と同様に取り扱うこと。)
 (ホ) 一般労働者派遣事業を行う事業所ごとの個人情報適正管理規程(「派遣元事業主が講ずべき措置に関する指針」第2の10 の(2)のハの(イ)から(ニ)までの内容が含まれていることが必要(第8の23 参照)。)
 (ヘ) 一般労働者派遣事業に関する資産の内容及びその権利関係を証する書類
 ① 最近の納税期における所得税の納税申告書の写し(税務署の受付印のあるもの)
  ② 納税証明書(国税通則法施行令第41 条第1項第3号イに係る同施行規則別紙第8号様式(その2)による最近の納税期における金額に関するもの)
  ③・ 青色申告の場合(簡易な記載事項の損益計算書のみ作成する場合を除く。)は、最近の納税期における所得税法施行規則第65 条第1項第1号の貸借対照表及び損益計算書(所得税青色申告決算書(一般用)の写し(税務署の受付印のあるもの))
  ・ 白色申告又は青色申告で簡易な記載事項の損益計算書のみ作成する場合は、(ロ)の一般労働者派遣事業計画書の「7 資産等の状況」欄に記載された土地・建物に係る不動産の登記事項証明書及び固定資産税評価額証明書
④ 預金残高証明書(納税期末日のもの)(事業開始後最初の納税を終了していない個人の申請に係る場合は、①から④までの書類に代えて、(ロ)の一般労働者派遣事業計画書の「7 資産等の状況」欄(近接する適当な日の状況につき記載する。)に記載された土地・建物に係る不動産の登記事項証明書及び固定資産税評価額証明書並びに現金・預金に係る預金残高証明書を提出する。)
  一般労働者派遣事業を行う事業所ごとの事業所の使用権を証する書類(不動産の登記事項証明書又は不動産賃貸借(使用貸借)契約書の写し)
 (ト) 一般労働者派遣事業を行う事業所ごとの派遣元責任者の住民票の写し及び履歴書(派遣元責任者と申請者が同一である場合においては、提出を要しない。)
  特定派遣元事業主(法第16条第1項の規定により特定労働者派遣事業の届出書を提出した者をいう。以下同じ。)が、一般労働者派遣事業の許可を申請するに際しては、イの(ハ)から(ホ)までに掲げる書類及びロの(ハ)に掲げる書類を添付することを要しない(則第1条の2第4項)。ニイ及びロに掲げる書類のうち、イの(イ)及び(ロ)並びにロの(イ)及び(ロ)に掲げる書類は、正本一通及びその写し二通を提出することを要するが、それ以外の書類については、正本一通及びその写し一通で足りる(則第20条)(第3の2の(2)参照)。

 

(4) 法人の「役員」の意義等
   法人の役員とは、おおむね次に掲げる者をいう。
 ① 株式会社については、代表取締役、取締役(会計参与設置会社である場合は会計参与、監査役設置会社である場合は監査役、委員会設置会社である場合は執行役)
 ② 合名会社及び合同会社については、総社員(定款をもって業務を執行する社員を定めた場合は、当該社員)
 ③ 合資会社については、総無限責任社員(定款をもって業務を執行する無限責任社員を定めた場合は、当該無限責任社員)
 ④ 特例有限会社(会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成17 年法律第87号)第3条第2項に規定する特例有限会社をいう。)については、取締役、監査役を置いた場合には監査役
 ⑤ 一般社団法人及び一般財団法人については、理事及び監事
 ⑥ 特殊法人、独立行政法人及び地方独立行政法人については、総裁、理事長、副総裁、副理事長、専務理事、理事、監事等法令により役員として定められている者
   中小企業団体の組織に関する法律(昭和32 年法律第185 号)第3条第1項に規定する事業協同組合、事業協同小組合、企業組合、協業組合、商工組合や組合等登記令(昭和39 年政令第29号)第1条に規定する組合等(以下単に「組合等」という。)のように法律上法人格を与えられているものは、組合等を構成する法人とは独立した別個の法人であり、当該組合等が許可を受け一般労働者派遣事業を行う主体となる(JVとの関係については第1の1の(6)参照)。
 
(5) 許可要件
   一般労働者派遣事業については、当該事業が法の趣旨に沿って、適正に運営され、労働力需給の適正な調整が図られるとともに、派遣労働者の保護及び雇用の安定が確保されることが必要である。
   このため、許可制を採用し、一定の要件を満たす者に限り許可することとしているが、この場合、労働者保護と雇用の安定のためのルールを遵守し、適正な事業運営を行い得る資質を有する者に限り事業の実施を認めるとともに、当該事業について、
 ① 専ら労働者派遣の役務を特定の者に提供することを目的として行うものでないこと。
 ② 派遣労働者に対し適切な雇用管理を行うこと。
 ③ 個人情報を適正に管理し、及び派遣労働者等の秘密を守るために必要な措置が講じられていること
 ④ 一定水準の事業遂行能力を有すること。
 を事前に確認した上で事業を行わせることが必要である。
  このような観点から、以下のとおり、許可の欠格事由(法第6条)及び許可基準(法第7条第1項)を定めているところであり、許可の申請に係る事業が、許可の欠格事由に該当せず、許可基準を全て満たすと認められる場合にのみ許可されるものである。
   一般労働者派遣事業の許可を受けた後、許可の欠格事由に該当するに至ったときは、許可が取り消されることになる(法第14 条第1項第1号。第13 の2の(2)のイ参照)。

 

一般路労働者派遣事業の許可申請及び欠格事由

 一般労働者派遣事業を行おうとする、法人又は個人は、所定の申請様式に記入し添付書類を

付し、かつ手数料を収めることで申請が可能です。業務取扱要領においては、可能な限り、許

可申請等に関する詳細を記述してあります。許可申請については、以下に概略をまとめ、併せ

て欠格事由の概略を記入します。

 

1.労働者派遣事業の概要 ※出典は、厚生労働省作成「許可・更新手続マニュアル」より

 ア 労働者派遣事業の種類

  ・一般労働者派遣事業~派遣元で雇用している労働者は非常勤

  ・特定労働者派遣事業~派遣元で雇用している労働者はすべて常勤

 注意一般労働者派遣事業に該当するか、特定労働者派遣事業に該当するかについては、

    事業所ごとに判断されることとなるため、一つの事業所において一般労働者派遣事業

    特定労働者派遣事業とが共存することはなく、常時雇用される労働者以外の派遣労

    働者が存在する場合は、一般労働者派遣事業を行う事業所となる

 イ 紹介予定派遣

  ・ 紹介予定派遣とは、労働者派遣のうち、派遣元事業主が労働者派遣の開始前又は開始後

   に、派遣労働者及び派遣先に対して、職業紹介(派遣労働者・派遣先の間の雇用関係の

   成立のあっせん)を行い、又は行うことを予定してするものです。

  ※ 職業紹介を行うに当たっては、厚生労働大臣の許可又は届出が必要です。
  ・紹介予定派遣を行うと、派遣先・派遣労働者双方にとって、派遣期間中にお互いの見極
   めができ、安定的な直接雇用につながりやすいというメリットがあります。
  ・紹介予定派遣では、通常の労働者派遣と異なり、
   ①派遣就業開始前又は派遣就業期間中の求人条件の明示、
   ②派遣期間中の求人・求職の意思の確認及び採用内定、
   ③派遣先が派遣労働者を特定することを目的とする行為
   (派遣就業開始前の面接、履歴書の送付等)を行うことができます。

2.許可申請の手続

 ア  申請方法

  ・ 一般労働者派遣事業を行おうとする場合は、下記(2)の書類を事業主の主たる事務所を
   管轄する都道府県労働局(以下「事業主管轄労働局」という。)に提出してください。
   申請は、事業主単位(会社単位)で行います
  ・ 許可申請は、事業開始予定時期のおおむね2か月前までに行う必要があります。
   申請を希望する場合、お早めに事業主管轄労働局に御相談ください。
  ・ 許可を受けるためには、欠格事由(法第6条)に該当せず、許可基準(法第7条)を
   満たす必要があります。
  ・ 申請に先立ち、派遣元責任者が派遣元責任者講習を受講しておく必要があります(15
   ページ2の⑨を参照)。この講習は、派遣元事業所の雇用管理及び事業運営の適正化に
   資することを目的とするものです。
   講習は、厚生労働省に開催を申し出た団体が実施しています。

 イ 提出書類

  ① 一般労働者派遣事業許可申請書(様式第1号)3通(正本1通、写し2通)
  ② 一般労働者派遣事業計画書(様式第3号)3通(正本1通、写し2通)※
  ③ 添付書類2通(正本1通、写し1通)※申請者が法人と個人の場合は異なる
 ウ 許可手数料
  ・ 申請書には、手数料[12万円+5万5千円×(一般労働者派遣事業を行う事業所数
   -1)]に相当する額の収入印紙を貼付する必要があります(法第54 条、令第10 条)。
  ・ 収入印紙の消印後は、手数料は返却されませんのでご留意ください。

 エ 登録免許税の課税

  ・ 申請に当たっては、登録免許税[許可一件当たり9万円]を納付し、領収書を許可申
    請書に貼付しなければなりません(登録免許税法第2 条、別表第1第81 号)。
  ・ 登録免許税は、国税の収納機関である日本銀行、日本銀行歳入代理店(銀行等や郵便
    局)又は都道府県労働局の所在地を管轄する税務署に現金で納付してください(国税通
   則法第34 条)。

 オ 許可までのプロセス

  ・ 申請書類の受付後、都道府県労働局で申請書類の審査がなされるとともに、事業の実
   施を予定する事業所に対し現地での調査が行われます。
  ・ 当該労働局は、申請に対する審査・調査の結果を厚生労働本省に送付します。
  ・ 厚生労働本省において、更に審査内容を精査の上、厚生労働大臣から労働政策審議会
   に諮問します。
  ・ 労働政策審議会からの答申を踏まえ、厚生労働大臣により申請に対する許可又は不許
   可が決定されます。
  ・ 許可の場合は許可証が、不許可の場合は不許可通知書が発行され、当該労働局を通じ
   て申請者に交付されます。
  ・ 事業者は、交付された許可証を受領することにより事業を開始します。
3.欠格事由
欠格事由
 次のいずれかに該当する事業者は、一般労働者派遣事業の許可を受けられず、また、特定
労働者派遣事業を行ってはなりません。
(Ⅰ) 法人の場合
 (1) 次のイ~ハ、ト~ヲの規定に違反し、又はニ~への罪を犯したことにより、罰金の刑
  に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して
  年を経過していない場合(法第6条第1号、第2号)
  イ 労働者派遣法の規定
  ロ 労働に関する以下の法律の規定
  (イ) 労働基準法第117条、第118条第1項(同法第6条及び第56条に係る部分に限る。)、
    第119条(同法第16条、第17条、第18条第1項及び第37条に係る部分に限る。)及び
   第120条(同法第18条第7項及び第23条から第27条までに係る部分に限る。)並びに
   当該規定に係る同法第121条(これらの規定が労働者派遣法第44条(第4項を除く。)
   により適用される場合を含む。)
  (ロ) 職業安定法第63条、第64条、第65条(第1号を除く。)及び第66条並びにこれら
   の規定に係る同法第67条
  (ハ) 最低賃金法第40条及び同条に係る同法第42条
  (ニ) 建設労働者の雇用の改善等に関する法律第49条、第50条及び第51条(第2号及び
    第3号を除く。)並びにこれらの規定に係る同法第52条
  (ホ) 賃金の支払の確保等に関する法律第18条及び同条に係る同法第20条
  (ヘ) 港湾労働法第48条、第49条(第1号を除く。)及び第51条(第2号及び第3号に
    係る部分に限る。)並びにこれらの規定に係る同法第52条
  (ト) 中小企業における労働力の確保及び良好な雇用の機会の創出のための雇用管理の
   改善の促進に関する法律第19条、第20条及び第21条(第1号に係る部分に限る。)
   並びにこれらの規定に係る同法第22条
  (チ) 育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律第62条、
   第63条及び第65条並びにこれらの規定に係る同法第66条
  (リ) 林業労働力の確保の促進に関する法律第32条、第33条及び第34条(第1号に係る
   部分に限る。)並びにこれらの規定に係る同法第35条
  (ヌ) 労働者派遣法第44条第4項により適用される労働基準法第118条、第119条及び第
   121条並びに労働者派遣法第45条第7項により適用される労働安全衛生法第119条及
   び第122条
  ハ 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(第50条(第2号に係る部分に限
   る。)及び第52条を除く。)
  ニ 刑法第204条、第206条、第208条、第208条の3、第222条又は第247条
  ホ 暴力行為等処罰に関する法律
  へ 出入国管理及び難民認定法第73条の2第1項
  ト 健康保険法第208条、第213条の2又は第214条第1項
  チ 船員保険法第156条、第159条の3又は第160条第1項
  リ 労働者災害補償保険法第51条前段又は第54条第1項(第51条前段に係る部分に限る。)
  ヌ 厚生年金保険法第102条第1項、第103条の2、第104条第1項(第102条第1項又は
   第103条の2に係る部分に限る。)、第182条第1項若しくは第2項又は第184条(第
   182条第1項又は第2項に係る部分に限る。)
  ル 労働保険の保険料の徴収等に関する法律第46条前段又は第48条第1項(第46条前段
   に係る部分に限る。)
  ヲ 雇用保険法第83条又は第86条(第83条に係る部分に限る。)
 (2) 破産者で復権していない場合(法第6条第3号)
 (3) 一般労働者派遣事業の許可を取り消され、又は特定労働者派遣事業の廃止を命じられ、
  当該取消し又は命令の日から起算して5年を経過していない場合(法第6条第4号)
 (4) 一般労働者派遣事業の許可の取消し又は特定労働者派遣事業の廃止の命令の処分に係
  る行政手続法第15条による通知(以下「聴聞の通知」という。)があった日から当該処
  分をする日又は処分をしないことを決定する日までの間に一般労働者派遣事業の廃止の
  届出又は特定労働者派遣事業の廃止の届出をした場合(当該事業の廃止について相当の
  理由がある場合を除く。)で、当該届出の日から起算して5年を経過しない場合(法第
  6条第6号)
 (5) 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律第2条第6号に規定する暴力団員又
  は暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者(以下「暴力団員等」という。)に
  その事業活動を支配されている場合(法第6条第11号)
 (6) 暴力団員等をその業務に従事させ、又はその業務の補助者として使用するおそれのあ
  る場合(法第6条第12号)
 (7) 当該法人の役員(業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者をいい、
  相談役、顧問その他いかなる名称を有する者であるかを問わず、法人に対し業務を執行
  する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者と同等以上の支配力を有するものと認
  められる者を含む。)のうちに、上記(1)~(4)又は次のいずれかに該当する者がある場
  合(法第6条第10号)
  イ 一般労働者派遣事業の許可を取り消された者が法人である場合(法第14条第1項第
   1号の規定により許可を取り消された場合については、当該法人が(1)に規定する者の
   いずれかに該当することとなったことによる場合に限る。)又は特定労働者派遣事業
   の廃止を命じられた者が法人である場合(当該法人が(1)に規定する者のいずれかに該
   当することとなったことによる場合に限る。)において、当該取消し又は命令の処分
   を受ける原因となった事項が発生した当時現に当該法人の役員であった者で、当該取
   消し又は命令の日から起算して5年を経過しないもの(法第6条第5号)
  ロ (4)に規定する期間内に一般労働者派遣事業の廃止の届出又は特定労働者派遣事業の
   廃止の届出をした者が法人である場合において、(4)の聴聞の通知の日前60日以内に
   当該法人(当該事業の廃止について相当の理由がある法人を除く。)の役員であった
   者で、当該届出の日から起算して5年を経過しないもの(法第6条第7号)
  ハ 暴力団員等(法第6条第8号)
  ニ 一般労働者派遣事業について法定代理人から営業の許可を受けていない未成年者で
  あって、その法定代理人(法人である場合は、当該法人の役員)が上記(1)~(4)又は
 (7)イ~ハのいずれかに該当する者又はその法定代理人(法人である場合に限る。)が
  上記(1)~(4)のいずれかに該当する者(法第6条第9号)

(Ⅱ)個人の場合

  上記1(1)~(6)又は当該個人が(7)イ~ニのいずれかに該当する者

 

 

一般労働者派遣事業のまとめ

 一般労働者派遣事業と特定労働者派遣事業の許可・届出件数を見ると次のようになっています。

 

  平成27年5月現在                   平成11年度

   一般労働者派遣事業(許可等件数)   17,652件   4,065件

   特定労働者派遣事業(届出等件数)   67,631件   8,588件

   一般+特定派遣事業(許可、届出数)  85,283件   12,653件

 

  出典: 一般社団法人 日本人材派遣協会 調査資料

  URL https://www.jassa.jp/corporation/permission/suii/2015_05suii.pdf 

 

 上記の資料から、労働者派遣事業は常用雇用のみの特定労働者派遣事業の事業所数が(統計

上)上回っていること。

 また、労働者派遣事業者数が時系列でみると減少していることがわかります。

 

 一般労働者派遣事業の許可については、定められたものを履行するのみですから、特段の検

討・考察の必要はないかと思います。

 

 

 

 

以上で労働者派遣法第5条・第6条を終了します。