労働者派遣法第16条、第17条、第18条、第19条

2015年06月16日 10:11

労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律

第16条(特定労働者派遣事業の届出)

 定労働者派遣事業を行おうとする者は、第五条第二項各号に掲げる事項を記載した届出書を厚生労働大臣に提出しなければならない。この場合において、同項第三号中「一般労働者派遣事業」とあるのは、「特定労働者派遣事業」とする。

2 前項の届出書には、特定労働者派遣事業を行う事業所ごとの当該事業に係る事業計画書その他厚生労働省令で定める書類を添付しなければならない。

3 前項の事業計画書には、厚生労働省令で定めるところにより、特定労働者派遣事業を行う事業所ごとの当該事業に係る派遣労働者の数、労働者派遣に関する料金の額その他労働者派遣に関する事項を記載しなければならない。

 

則第11条(届出書の提出手続)

 法第十六条第一項の届出書は、特定労働者派遣事業届出書(様式第九号)のとおりと

2 法第十六条第二項の厚生労働省令で定める書類は、次のとおりとする。

一 届出者が法人である場合にあつては、次に掲げる書類

イ 第一条の二第二項第一号イからハまでに掲げる書類

ロ 役員が未成年者で特定労働者派遣事業に関し営業の許可を受けていない場合にあつては、次に掲げる場合の区分に応じ、それぞれ次に定める書類

(1) 当該役員の法定代理人が個人である場合 当該法定代理人の住民票の写し及び履歴書

(2) 当該役員の法定代理人が法人である場合 当該法定代理人に係る第一条の二第二項第一号イからハまでに掲げる書類(法定代理人の役員が未成年者で特定労働者派遣事業に関し営業の許可を受けていない場合にあつては、当該役員の法定代理人(法人に限る。)に係る同号イからハまでに掲げる書類又は当該役員の法定代理人(個人に限る。)の住民票の写し及び履歴書を含む。)

ハ 特定労働者派遣事業を行う事業所ごとの個人情報適正管理規程

ニ 特定労働者派遣事業を行う事業所に係る権利関係を証する書類

ホ 特定労働者派遣事業を行う事業所ごとに選任する派遣元責任者の住民票の写し及び履歴書

二 届出者が個人である場合にあつては、次に掲げる書類

イ 第一条の二第二項第二号イに掲げる書類

ロ 届出者が未成年者で特定労働者派遣事業に関し営業の許可を受けていない場合にあつては、次に掲げる場合の区分に応じ、それぞれ次に定める書類

(1) 当該届出者の法定代理人が個人である場合 当該法定代理人の住民票の写し及び履歴書

(2) 当該届出者の法定代理人が法人である場合 当該法定代理人に係る第一条の二第二項第一号イからハまでに掲げる書類(法定代理人の役員が未成年者で特定労働者派遣事業に関し営業の許可を受けていない場合にあつては、当該役員の法定代理人(法人に限る。)に係る同号イからハまでに掲げる書類又は当該役員の法定代理人(個人に限る。)の住民票の写し及び履歴書を含む。)

ハ 前号ハ、ニ及びホに掲げる書類

3 法第十六条第二項の規定により添付すべき事業計画書は、特定労働者派遣事業計画書(様式第三号)のとおりとする。

4 一般派遣元事業主又は法第五条第一項の規定による一般労働者派遣事業の許可の申請をしている者が法第十六条第一項の規定による特定労働者派遣事業の届出をするときは、法人にあつては第二項第一号イに掲げる書類を、個人にあつては同項第二号イに掲げる書類を添付することを要しない。

5 届出者が一般労働者派遣事業を行つている場合において、当該届出者が一般労働者派遣事業を行つている他の事業所の派遣元責任者を当該届出に係る事業所の派遣元責任者として引き続き選任するときは、法人にあつては第二項第一号ホに掲げる書類のうち履歴書(選任する派遣元責任者の住所に変更がないときは、住民票の写し及び履歴書。以下この項において同じ。)を、個人にあつては同項第二号ハの書類のうち履歴書を添付することを要しない。

 

第17条(事業開始の欠格事由)

 第六条各号のいずれかに該当する者は、新たに特定労働者派遣事業の事業所を設

けて当該特定労働者派遣事業を行つてはならない。

 

則第12条(法第十八条の厚生労働省令で定める事項)

 法第十八条の厚生労働省令で定める事項は、次のとおりとする。

一 氏名又は名称及び法人にあつては、その代表者の氏名

二 事業所の名称及び所在地

 

第18条(書類の備付け等)

 特定派遣元事業主は、第十六条第一項の届出書を提出した旨その他厚生労働省令

で定める事項を記載した書類を、特定労働者派遣事業を行う事業所ごとに備え付け

るとともに、関係者から請求があつたときは提示しなければならない。

 

第19条(変更の届出)

 特定派遣元事業主は、第十六条第一項の届出書に記載すべき事項に変更があつた

ときは、遅滞なく、その旨を厚生労働大臣に届け出なければならない。この場合に

おいて、当該変更に係る事項が特定労働者派遣事業を行う事業所の新設に係るもの

であるときは、当該事業所に係る事業計画書その他厚生労働省令で定める書類を添

付しなければならない。

2 第十六条第三項の規定は、前項の事業計画書について準用する。

 

則第14条(変更の届出)

 法第十九条の規定による届出をしようとする者は、法第五条第二項第四号に掲げる事項の変更の届出にあつては当該変更に係る事実のあつた日の翌日から起算して三十日以内に、同号に掲げる事項以外の事項の変更の届出にあつては当該変更に係る事実のあつた日の翌日から起算して十日以内に、第十一条第二項に規定する書類のうち当該変更事項に係る書類を添えて、特定労働者派遣事業変更届出書(様式第十号)を厚生労働大臣に提出しなければならない。ただし、届出者が当該変更に係る法第十一条第一項の規定による届出をした際に、法人にあつては第一条の二第二項第一号イからハまでに掲げる書類のうち当該変更事項に係る書類、個人にあつては同項第二号イに掲げる書類のうち当該変更事項に係る書類を添付したときは、当該書類を添付することを要しない。

2 法第十九条第一項の厚生労働省令で定める書類は、法人にあつては当該新設する事業所に係る第十一条第二項第一号ハ、ニ及びホに、個人にあつては当該新設する事業所に係る同項第二号ハに掲げる書類とする。ただし、当該特定派遣元事業主が一般労働者派遣事業又は特定労働者派遣事業を行つている他の事業所の派遣元責任者を当該新設する事業所の派遣元責任者として引き続き選任したときは、法人にあつては同項第一号ホに掲げる書類のうち履歴書(選任した派遣元責任者の住所に変更がないときは、住民票の写し及び履歴書。以下この条において同じ。)を、個人にあつては同項第二号ハに掲げる書類のうち履歴書を添付することを要しない。

3 法第五条第二項第四号に掲げる事項のうち派遣元責任者の氏名に変更があつた場合において、当該特定派遣元事業主が一般労働者派遣事業又は特定労働者派遣事業を行つている他の事業所の派遣元責任者を当該変更に係る事業所の変更後の派遣元責任者として引き続き選任したときは、法人にあつては第十一条第二項第一号ホに掲げる書類のうち履歴書を、個人にあつては同項第二号ハの書類のうち履歴書を添付することを要しない。

 

今国会に提出されている法律案による改正点

 今国会に提出されている労働者派遣法の改正案によれば、改正後「一般労働者派遣事業及び特定労働者派遣事業」の区分を廃止し、労働者派遣事業として一元化し、かつ、他法に規定される場合を除き、経過措置を設けて全て許可制に変更することとなっています。これは、労働契約法の改正により、いわゆる有期労働契約の労働者が激減することが見込まれるためです。

 

 ところで、特定労働者派遣事業における「常時雇用される派遣労働者」の解釈は次のようになっています。

◇「常時雇用される」とは、雇用契約の形式の如何を問わず、事実上期間の定めなく雇用されている労働者のことをいう。
 ・具体的には、次のいずれかに該当する場合に限り「常時雇用される」に該当する。
 ① 期間の定めなく雇用されている者
 ② 一定の期間(例えば、2か月、6か月等)を定めて雇用されている者であって、その雇用期間が反復継続されて事実上①と同等と認められる者。すなわち、過去1年を超える期間について引き続き雇用されている者又は採用の時から1年を超えて引き続き雇用されると見込まれる者
 ③ 日日雇用される者であって、雇用契約が日日更新されて事実上①と同等と認められる者。すなわち、②の場合と同じく、過去1年を超える期間について引き続き雇用されている者又は採用の時から1年を超えて引き続き雇用されると見込まれる者
 なお、雇用保険の被保険者とは判断されないパートタイム労働者であっても、①から③までのいずれかに該当すれば「常時雇用される」と判断するものであるので留意すること。
◇一般労働者派遣事業
 派遣労働を希望する労働者を登録しておき、労働者派遣をするに際し、当該登録されている者の中から期間の定めのある労働者派遣をするいわゆる登録型の労働者派遣事業は、一般労働者派遣事業の典型的な形態であり、当該登録型の事業が当該事業所において行われる事業に含まれている場合は、一般労働者派遣事業である。
◇ 「常時雇用される」労働者以外の者が派遣労働者(業として行われる労働者派遣の対象となるものに限る。)の中に存在する場合は、一般労働者派遣事業となる。しかしながら、通常は常時雇用される労働者を労働者派遣することを業として行っている者については、臨時的な理由により、たまたま一時的に常時雇用される労働者以外の労働者を労働者派遣する場合であっても、今後とも、常時雇用される労働者以外の者を、反復して労働者派遣する意図が客観的に認められないときは特定労働者派遣事業としての取扱いを変える必要はないものであるので留意すること。

 

業務取扱要領(特定労働者派遣事業の届出等)

(1) 特定労働者派遣事業の届出
   特定労働者派遣事業を行おうとする者は、厚生労働大臣に対して届出書を提出しなければならない(法第16 条第1項)。
   イの届出書の提出は、(3)に掲げる届出関係書類を事業主管轄労働局に提出することにより行う(法第16 条、則第11 条第1項から第3項まで、則第19 条)。
 なお、届出は「事業主」ごとに行うものであるが、事業主の届出に際しては特定労働者派遣事業を行おうとする事業所について届出書に記載するとともに、事業所ごとに事業計画書等の書類を提出することが必要である(法第16 条第2項及び第3項)。
   届出書の提出を受けた事業主管轄労働局においては、速やかに(5)の欠格事由について、(3)に掲げる届出関係書類等により確認し、その結果を本省に報告する(5の(2)参照)。
   なお、事業主としては、一般労働者派遣事業を行う事業所と特定労働者派遣事業を行う事業所の双方を持ちうるが、同一の事業所において一般労働者派遣事業と特定労働者派遣事業の双方を行いうるものではない(第1の3の(4)参照)。
   届出に際し、特定製造業務を行う場合には、その旨を記載した届出書を提出しなければならない。
(2) 「事業所」の意義
 一般労働者派遣事業の場合と同様である(第4の1の(2)参照)。
(3) 届出関係書類
 特定労働者派遣事業の届出関係書類は法人及び個人の区分に応じ次のイ及びロのとおりとする(法第16 条、則第11 条第1項から第3項まで。なお、特定労働者派遣事業関係手続に要する書類の総括については6参照)。
  法人の場合
 (イ) 特定労働者派遣事業届出書(様式第9号)
 (ロ) 特定労働者派遣事業を行う事業所ごとの当該事業に係る事業計画書(様式第3号)
 (ハ) 定款又は寄附行為
 (ニ) 登記事項証明書
 (ホ) 役員の住民票の写し及び履歴書
 (ヘ) 役員が未成年者の場合は、第4の1の(3)のイの(ヘ)に定める書類
 (ト) 特定労働者派遣事業を行う事業所ごとの個人情報適正管理規程(「派遣元事業主が講ずべき措置に関する指針」第2の10 の(2)のハの(イ)から(ニ)までの内容が含まれていることが必要(第8の23 参照)。)
 (チ) 特定労働者派遣事業を行う事業所ごとの事業所の使用権を証する書類(不動産の登記事項証明書又は不動産賃貸借(使用貸借)契約書の写し)
 (リ) 特定労働者派遣事業を行う事業所ごとの派遣元責任者の住民票の写し及び履歴書(派遣元責任者と役員が同一である場合においては、提出を要しない。また、届出者が一般労働者派遣事業を行っている場合において、当該届出者が一般労働者派遣事業を行っている他の事業所の派遣元責任者を移動させ、届出に係る事業所の派遣元責任者として引き続き選任するときは、履歴書(選任する派遣元責任者の住所に変更がないときは、住民票の写し及び履歴書)を添付することを要しない。)
 ロ  個人の場合
 (イ) 特定労働者派遣事業届出書(様式第9号)
 (ロ) 特定労働者派遣事業を行う事業所ごとの特定労働者派遣事業計画書(様式第3号)
 (ハ) 住民票の写し及び履歴書
 (ニ) 届出者が未成年者の場合は、第4の1の(3)のロの(ニ)に定める書類
 (ホ) 特定労働者派遣事業を行う事業所ごとの個人情報適正管理規程(「派遣元事業主が講ずべき措置に関する指針」第2の10 の(2)のハの(イ)から(ニ)までの内容が含まれていることが必要(第8の23 参照)。)
 (ヘ) 特定労働者派遣事業を行う事業所ごとの事業所の使用権を証する書類(不動産の登記事項証明書又は不動産賃貸借(使用貸借)契約書の写し)
 (ト) 特定労働者派遣事業を行う事業所ごとの派遣元責任者の住民票の写し及び履歴書(派遣元責任者と届出者が同一である場合においては、提出を要しない。また、届出者が一般労働者派遣事業を行っている場合において、当該届出者が一般労働者派遣事業を行っている他の事業所の派遣元責任者を移動させ、届出に係る事業所の派遣元責任者として引き続き選任するときは、履歴書(選任する派遣元責任者の住所に変更がないときは、住民票の写し及び履歴書)を添付することを要しない。)
 ハ 一般派遣元事業主又は法第5条第1項による一般労働者派遣事業の許可の申請をしている者が、特定労働者派遣事業の届出をするに際しては、イの(ハ)及び(ニ)、(ホ)のうち役員の住民票の写し及び履歴書(法人の場合)又はロの(ハ)のうち住民票の写し及び履歴書(個人の場合)を添付することを要しない(則第11 条第4項)。
   イ及びロに掲げる書類のうち、イの(イ)及び(ロ)並びにロの(イ)及び(ロ)に掲げる書類は、正本一通及びその写し二通を提出することを要するが、それ以外の書類については、正本一通及びその写し一通で足りる(則第20 条)(第3の2の(2)参照)。
(4) 法人の「役員」の意義等
 一般労働者派遣事業の場合と同様である(第4の1の(4)参照)。
(5) 事業開始の欠格事由
  概要
 事業開始の欠格事由に該当する者は、新たに特定労働者派遣事業の事業所を設けて当該特定労働者派遣事業を行ってはならない(法第17 条)。
 ロ 意義
 (イ) 特定労働者派遣事業は届出書を厚生労働大臣に提出すれば行えるものである。
 (ロ) しかしながら、一般労働者派遣事業と同様欠格事由に該当する場合は法を遵守し、派遣労働者の保護と雇用の安定及び労働力需給調整システムとしての当該事業の適正な運営が期待し得ず、欠格事由に該当する者の特定労働者派遣事業が行えないものとしたものである。
 (ハ) 「新たに特定労働者派遣事業の事業所を設けて当該特定労働者派遣事業を行ってはならない」とは、届出書を提出して特定労働者派遣事業を開始することを禁止するものであり、従来から一定の事業所で何らかの事業を行っていた者が欠格事由に該当するにもかかわらず事業所を新設せず、当該一定の事業所で特定労働者派遣事業を開始することを許容するものではないので留意すること。
 (ニ) また、特定労働者派遣事業の届出書が提出されても、当該届出者が事業開始の欠格事由に該当し、かつ、当該届出の誓約に係る記載が法第61 条第1号の虚偽の記載に該当することが、既に明らかになっている場合、当該届出は必要な内容を備えていないものであるため受理できないものである。
  事業開始の欠格事由
 事業開始の欠格事由は、一般労働者派遣事業の許可の欠格事由と同様である(第4の1の(5)の「許可の欠格事由」参照)。
   特定労働者派遣事業の届出を行った者が、事業開始の欠格事由に該当するときは、当該労働者派遣事業の廃止を命ずることとなる(法第21 条第1項。第13 の2の(3)のイ参照)。
(6) 届出の受理
   届出書を受理したときは、特定労働者派遣事業届出書(様式第9号)の写しに(7)により付与された届出受理番号及び届出受理年月日を記載するとともに、当該写しに次の記載例により特定労働者派遣事業届出書が受理された旨を記載し、当該写し及び特定労働者派遣事業計画書(様式第3号)の写しそれぞれ一通を届出者に対して控えとして交付する(第3の2の(2)参照)。
 ロ (5)ロ(ニ)に該当していることにより、届出者に係る届出書を受理できない場合は次の様式により、特定労働者派遣事業の届出が受理できない旨の書面を作成し、当該届出者に対して交付する。 
(7) 届出受理番号の付与
    届出受理事業主については、次の特定労働者派遣事業届出受理番号設定要領に従い、当該事業主固有の届出受理番号を付与すること。この場合、当該届出受理番号はその後、事業主の住所の変更等により事業主管轄労働局が変更される場合を除き、変更されることのないこと。
   特定労働者派遣事業の届出を受理した旨を記載した通知書((6)のイ参照)には、当該届出受理番号を必ず記載すること。
(9) 違反の場合の効果
   (1)のイに違反して、届出書を提出しないで特定労働者派遣事業を行った者は、法第60 条第1号に該当し、6か月以下の懲役又は30 万円以下の罰金に処せられる場合がある(第13 の1参照)。
 なお、適用除外業務については、そもそも労働者派遣事業の許可、届出ということが想定されないものであり、適用除外業務について、無許可で、又は届出をせず労働者派遣事業を行った者は、適用除外業務について労働者派遣事業を行った者として、法第59 条第1号に該当し、処罰の対象となるものである(第2の2の(6)、第13 の1参照)。
   (1)のイ又はロの届出書又は届出関係書類に虚偽の記載をして提出した者は、法第61 条第1号に該当し、30 万円以下の罰金に処せられる場合がある(第13 の1参照)。
   また、上記イ又はロの場合、法に違反するものとして、事業停止命令(法第21 条第2項)、改善命令(法第49 条第1項)の対象となり、イ又はロの司法処分を受けた場合は事業廃止命令(法第21 条第1項)の対象となる(第13 の2参照)。
(10) 書類の備付け等
  概要
 特定派遣元事業主は、当該届出書を提出した旨その他の事項を記載した書類を、特定労働者派遣事業を行う事業所ごとに備え付けるとともに、関係者から請求があったときは提示しなければならない(法第18 条)。
   意義
 (イ) 当該書類の備付け及び提示は、一般労働者派遣事業の許可証と同様(第4の4の(1)のハ参照)に、特定労働者派遣事業を行う者が適法に事業活動を行っていることを関係者に知らせるための措置である。
 (ロ) 「関係者」とは、一般労働者派遣事業における関係者と同様である(第4の4の(1)のロ参照)。
   届出書を提出した旨その他の事項を記載した書類
 (イ) 「届出書を提出した旨」は、届出書を提出した場合に交付される届出受理番号を記載させることにより確実に示すこととする。
 (ロ) 「その他の事項」は次に掲げるものとする(則第12 条)。
 ① 氏名又は名称及び法人にあっては、その代表者の氏名
 ② 事業所の名称及び所在地
 (ハ) 当該書類については新たに所定の事項を記載、作成したものであることを要件としているわけではなく、所定の事項が記載されていればいかなる様式によっても、また複数の書類によってもその要件を満たすものであれば足りるものである。このため、当該書類の備付け及び提示について、特定労働者派遣事業届出書の写し(1の(6)参照)及び法第 19 条の規定による変更の届出を行った場合には、当該届出により交付される書類(2の(3)参照)の複写によって行っても差し支えない。
 (ニ) 書面によらず電磁的記録により当該書類の作成を行う場合は、電子計算機に備えられたファイルに記録する方法又は磁気ディスク、シーディー・ロムその他これらに準ずる方法により一定の事項を確実に記録しておくことができる物(以下「磁気ディスク等」という。)をもって調製する方法により作成を行わなければならない。
 また、書面によらず電磁的記録により当該書類の備付けを行う場合は、次のいずれかの方法によって行った上で、必要に応じ電磁的記録に記録された事項を出力することにより、直ちに明瞭かつ整然とした形式で使用に係る電子計算機その他の機器に表示し、及び書面を作成できるようにしなければならない。
 a  作成された電磁的記録を電子計算機に備えられたファイル又は磁気ディスク等をもって調製するファイルにより保存する方法
 b  書面に記載されている事項をスキャナ(これに準ずる画像読取装置を含む。)により読み取ってできた電磁的記録を電子計算機に備えられたファイル又は磁気ディスク等をもって調製するファイルにより保存する方法
 さらに、電磁的記録により当該書類の備付けをしている場合において、当該書類の提示を行うときは、当該事業所に備え置く電子計算機の映像面における表示又は当該電磁的記録に記録された事項を出力した書類により行わなければならない。
  違反の場合の効果
 イに違反して当該書類を事業所に備え付けず、又は関係者からの請求があったときにこれを提示しなかった場合、特定派遣元事業主は事業停止命令(法第21 条第2項)、改善命令(法第49条第1項)の対象となる(第13 の2参照)。
(11) 労働者派遣事業制度に係る周知
 事業主管轄労働局においては、(6)イにより届出を受理した後、当該事業主に対して第4の1
(12)イ~ハの内容により適正な労働者派遣事業の運営に係る講習を実施するものとする。
 なお、当該講習については、労働基準行政、雇用均等行政、職業安定行政内の公正採用選考担当部門等との必要な連携を図りつつ実施すること。

 

業務取扱要領(特定労働者派遣事業の変更届)

1) 特定労働者派遣事業の変更の届出
  特定派遣元事業主が次に掲げる事項を変更したときは、事業主管轄労働局を経て、厚生労働大臣に対して、変更の届出をしなければならない。ただし、事業所における次の⑥から⑫までに掲げる事項の変更のみを届け出るときは、当該変更後の事業所管轄労働局へ届出を行うことも差し支えない(法第19 条、則第19 条)。
 ① 氏名又は名称、② 住所、③ 代表者の氏名、④ 役員(代表者を除く。)の氏名、⑤ 役員の住所、⑥ 特定労働者派遣事業を行う事業所の名称、⑦ 特定労働者派遣事業を行う事業所の所在地、⑧ 特定労働者派遣事業を行う事業所の派遣元責任者の氏名、⑨ 特定労働者派遣事業を行う事業所の派遣元責任者の住所、⑩ 特定労働者派遣事業を行う事業所における特定製造業務(第4の1の(1)のホ参照)への労働者派遣の開始・終了、⑪ 特定労働者派遣事業を行う事業所の新設(事業所における特定労働者派遣事業の開始)、⑫ 特定労働者派遣事業を行う事業所の廃止(事業所における特定労働者派遣事業の終了)
   イの①から⑫まで((⑧及び⑨を除く。)の変更の届出は、当該変更に係る事項のあった日の翌日から起算して10 日以内に、イの⑧及び⑨の変更の届出は、当該変更に係る事項のあった日の翌日から起算して30 日以内に、(2)に掲げるイからヲまでの区分に応じた変更届出関係書類を事業主管轄労働局又は事業所管轄労働局に提出することにより行う(則第14 条第1項)。なお、イの②及び⑦の変更(同一労働局の管轄区域内の変更を除く。)の場合は、事業主管轄労働局又は事業所管轄労働局とは、変更後のものを言うものである。
 なお、⑪の届出に関しては、届出に不備のないよう、当該事業所において特定労働者派遣事業を開始する前に事業主管轄労働局又は事業所管轄労働局へ、事業計画の概要、派遣元責任者となる予定の者等についてあらかじめ説明するよう指導するものとすること(当該説明については、事前に届け出ようとする変更届出関係書類を提出することで足りる)。
   イの変更の届出については、イの①から⑫までの事項のうち複数の事項の変更を1枚の届出書により行うことができる(この場合(2)に掲げる変更届出関係書類のうち重複するものにつき省略することができる。)。
  イの②、⑤、⑦及び⑨の事項について、単に市町村合併や住居番号の変更により住所又は所在地に変更が生じた場合には、当該変更に係る変更届出書を提出することを要しない。
(2) 変更届出関係書類
 特定労働者派遣事業の変更届出関係書類は、(1)のイの①から⑫までに掲げる変更された事項の区分に応じ、当該事項に係る次のイからヲまでに掲げる書類とする(則第14 条第1項。また、特定労働者派遣事業関係手続に要する書類の総括については6参照)。
   氏名又は名称の変更
 (イ) 法人の場合(名称の変更)
   a  特定労働者派遣事業変更届出書(様式第10 号)
  b  定款又は寄附行為
  c  登記事項証明書
 (ロ) 個人の場合(氏名の変更)
  a 特定労働者派遣事業変更届出書(様式第10 号)
  b 住民票の写し及び履歴書
  住所
 (イ) 法人の場合
  a 特定労働者派遣事業変更届出書(様式第10 号)
  b 定款又は寄附行為(ただし、法人の所在地に変更が加えられた場合に限る。)
  c 登記事項証明書
 (ロ) 個人の場合
  a 特定労働者派遣事業変更届出書(様式第10 号)
  b 住民票の写し及び履歴書
   代表者の氏名(法人の場合のみ)
 (イ) 特定労働者派遣事業変更届出書(様式第10 号)
 (ロ) 登記事項証明書
 (ハ) 代表者の住民票の写し及び履歴書(氏名のみの変更の場合は不要。)
 (ニ) 代表者が未成年の場合は、1の(3)のイの(ヘ)に定める書類
  役員(代表者を除く。)の氏名(法人の場合のみ)
 (イ) 特定労働者派遣事業変更届出書(様式第10 号)
 (ロ) 登記事項証明書
 (ハ) 役員の住民票の写し及び履歴書(氏名のみの変更の場合は不要。)
 (ニ) 役員が未成年者の場合は、1の(3)のイの(ヘ)に定める書類
  役員の住所(法人の場合のみ)
 (イ) 特定労働者派遣事業変更届出書(様式第10 号)
 (ロ) 登記事項証明書(代表者を除く役員の変更の場合、不要)
 (ハ) 役員の住民票の写し
  特定労働者派遣事業を行う事業所の名称
 (イ) 法人の場合
  a 特定労働者派遣事業変更届出書(様式第10 号)
  b 定款又は寄附行為(事業所の名称の変更に伴い変更が加えられる場合に限る。)
  c 登記事項証明書(事業所の名称の変更に伴い変更が加えられた場合に限る。)
 (ロ) 個人の場合
 ・ 特定労働者派遣事業変更届出書(様式第10 号)
  特定労働者派遣事業を行う事業所の所在地
 (イ) 法人の場合
  a 特定労働者派遣事業変更届出書(様式第10 号)
  b 定款又は寄附行為(事業所の所在地の変更に伴い変更が加えられた場合に限る。)
  c 登記事項証明書(事業所の所在地の変更に伴い変更が加えられた場合に限る。)
  d 事業所の使用権を証する書類(不動産の登記事項証明書又は不動産賃貸借
  (使用貸借)契約書の写し)
 (ロ) 個人の場合
  a 特定労働者派遣事業変更届出書(様式第10 号)
  b 事業所の使用権を証する書類(不動産の登記事項証明書又は不動産賃貸借
  (使用貸借)契約書の写し)
  特定労働者派遣事業を行う事業所の派遣元責任者の氏名(法人・個人の場合共通)
 (イ) 特定労働者派遣事業変更届出書(様式第10 号)
 (ロ) 派遣元責任者の住民票の写し及び履歴書(氏名のみの変更の場合、不要。また当該特定派遣元事業主が複数の事業所において一般労働者派遣事業又は特定労働者派遣事業を行っている場合において、他の一般労働者派遣事業又は特定労働者派遣事業を行う事業所の派遣元責任者を移動させ、変更の届出に係る事業所の派遣元責任者として引き続き選任するときは、履歴書(選任した派遣元責任者の住所に変更がないときは、住民票の写し及び履歴書)を添付することを要しない。)
  特定労働者派遣事業を行う事業所の派遣元責任者の住所(法人・個人の場合共通)
 (イ) 特定労働者派遣事業変更届出書(様式第10 号)
 (ロ) 派遣元責任者の住民票の写し
   特定労働者派遣事業を行う事業所における特定製造業務への労働者派遣の開始・終了
 (法人・個人の場合共通)
 (イ) 特定労働者派遣事業変更届出書(様式第10 号)
  特定労働者派遣事業を行う事業所の新設(法人・個人の場合共通)
 (イ) 特定労働者派遣事業変更届出書(様式第10 号)
 (ロ) 新設する事業所ごとの特定労働者派遣事業計画書(様式第3号)
 (ハ) 新設する事業所ごとの個人情報適正管理規程(「派遣元事業主が講ずべき措置に関する指針」第2の10 の(2)のハの(イ)から(ニ)までの内容が含まれていることが必要(第8の23 参照)。)
 (ニ) 新設する事業所ごとの事業所の使用権を証する書類(不動産の登記事項証明書又は不動産賃貸借(使用貸借)契約書の写し)
 (ホ) 新設する事業所ごとの派遣元責任者の住民票の写し及び履歴書(派遣元責任者と役員が同一である場合においては、提出を要しない。また、特定派遣元事業主が複数の事業所において一般労働者派遣事業又は特定労働者派遣事業を行っている場合において、他の一般労働者派遣事業又は特定労働者派遣事業を行う事業所の派遣元責任者を移動させ、当該新設する事業所の派遣元責任者として引き続き選任するときは、履歴書(選任した派遣元責任者の住所に変更がないときは、住民票の写し及び履歴書)を添付することを要しない。)
  特定労働者派遣事業を行う事業所の廃止(事業所における特定労働者派遣事業の終了)(法人・個人の場合共通)
 (イ) 特定労働者派遣事業変更届出書(様式第10 号)
  ただし、届出者が、一般労働者派遣事業を行う事業所を有しており、法第11 条第1項の規定による変更の届出(第4の3参照)において、当該変更に係る書類として、以下の書類を添付したときは、特定労働者派遣事業に係る当該変更の届出についてはこれらの書類を添付することを要しない(則第14 条第1項)。
 (イ) 届出者が法人である場合
 ・ 定款又は寄附行為
 ・ 登記事項証明書
 ・ 役員の住民票の写し及び履歴書
 (ロ) 届出者が個人である場合
 ・ 住民票の写し及び履歴書
  イからヲまでに掲げる書類のうち特定労働者派遣事業変更届出書(様式第10 号)については、正本一通及びその写し二通を提出することを要するが、それ以外の書類については、正本一通及びその写し一通を提出することで足りる(則第20 条)(第3の2の(2)参照)。
(3) 変更の届出の受理
 (1)の特定労働者派遣事業の変更の届出を受理したときは、特定労働者派遣事業変更届出書(様式第10 号)の写し一通を届出者に控えとして交付する(第3の2の(2)参照)。
(5) 違反の場合の効果
   特定労働者派遣事業の変更の届出をせず、又は虚偽の届出をした者は、法第61 条第2号に該当し、30 万円以下の罰金に処せられる場合がある(第13 の1参照)。
   また、法に違反するものとして、事業停止命令(法第21 条第2項)、改善命令(法第49 条第1項)の対象となり、イの司法処分を受けた場合は、事業廃止命令(法第21 条第1項)の対象となる(第13 の2参照)。

 

逐条考察

1.第16条 特定労働者派遣事業の届出

 特定労働者派遣事業を行おうとするものは、特定労働者派遣事業届出書(様式第九号)を管轄労働局を

経由して厚生労働大臣に提出します。

 なお、届出は「事業主」ごとに行うものであるが、事業主の届出に際しては特定労働者派遣事業を

行おうとする事業所について届出書に記載するとともに、事業所ごとに事業計画書等の書類を提出す

ることが必要となっています。

 また、同一の事業所において一般労働者派遣事業と特定労働者派遣事業の双方を行いうるものでは

ないとされ、いわゆる登録型労働者派遣を行う場合には、その事業所は一般労働者派遣事業としての

許可を得る必要があります。

 従って、特定労働者派遣事業の届出を行った事業所に所属する派遣労働者は、すべて常時雇用され

る労働者ということになります。

(1)特定労働者派遣事業届出書の様式及び添付書類(法人の場合、個人事業の場合省略)

 (イ) 特定労働者派遣事業届出書(様式第9号)
 (ロ) 事業計画書(様式第3号)
 (ハ) 定款又は寄附行為
 (ニ) 登記事項証明書
 (ホ) 役員の住民票の写し及び履歴書
 (ヘ) 役員が未成年者の場合は、役員甲の法定代理人の定款又は寄附行為、登記事項証明書
  並びに役員の住民票の写し及び履歴書
 (ト)事業所ごとの個人情報適正管理規程
 (チ) 事業所ごとの事業所の使用権を証する書類
 (リ) 事業所ごとの派遣元責任者の住民票の写し及び履歴書

   ※他の事業所で一般労働者派遣事業の派遣元責任者として書類を提出済みの場合は不要
ただし、一般労働者派遣事業の許可の申請をしている者が、特定労働者派遣事業の届出を行う場合は、(ハ)及び(ニ)、(ホ)のうち役員の住民票の写し及び履歴書を添付することを要しないこと。

 

2.特定労働者派遣事業の届出事業者の欠格事由

 事業開始の欠格事由は、一般労働者派遣事業の許可の欠格事由と同様であるとされています。

項目のみをまとめると次のような内容となります。

・法人の欠格事由の概要は次の通りです。(法人の欠格事由のみ。個人の欠格事由は省略)

(1)次のイからハまで及びトからヲまでの規定に違反し又はニ、ホ及びへの罪を犯したことにより、

罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して5年を

経過していない場合

 イ 労働者派遣法の規定に違反した場合

 ロ 労働関係法の一部の規定に違反した場合

   ①労働基準法の一部(第117 条、第118 条第1項ほか)

   ②職業安定法の一部(第63 条、第64 条ほか)

   ③最低賃金法の一部(第40 条他)

   ④建設労働者の雇用の改善等に関する法律の一部(第49条、第50条、第51条ほか)

   ⑤賃金の支払の確保等に関する法律の一部(第18条ほか)

   ⑥港湾労働法の一部(第48 条、第49 条)

   ⑦中小企業における労働力の確保及び良好な雇用の機会の創出のための雇用管理の

    改善の促進に関する法律の一部(第19 条、第20 条)

   ⑧育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律の一部
   (第62 条、第63 条)
   ⑨林業労働力の確保の促進に関する法律の一部(第32 条、第33 条ほか)
   ⑩労働安全衛生法の一部(第119 条及び第122 条)

 ハ 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の一部に違反した場合

 ニ 刑法の一部に違反した場合(第204 条、第206 条、第208 条ほか)

 ホ 暴力行為等処罰に関する法律に違反した場合

 ヘ 出入国管理及び難民認定法の一部に違反した場合

 ト 健康保険法の一部に違反した場合(第208 条、第213 条ほか)

 チ 船員保険法の一部(第156 条、第159 条ほか)

 リ 労働者災害補償保険法の一部

 ヌ 厚生年金保険法の一部(第102 条第1項、第103 条の2ほか)

 ル 労働保険の保険料の徴収等に関する法律の一部

 ヲ 雇用保険法の一部

※執行猶予の取扱は、猶予期間を無事経過することによって直ちに欠格事由を離脱する(不該当となる)とされています。

※法人の両罰規定に関しては、法人については、罰金刑しか存在しないので、処罰の根拠となる法規

 定は、上記イ及びロ並びにヘからヲに該当した場合のみ欠格となります。

(2)当該法人が破産者で復権していない場合

(3)一般労働者派遣事業の許可を取り消され、又特定労働者派遣事業の廃止を命じられ、当該取消し又は命令の日から起算して5年を経過していない場合

(4)一般労働者派遣事業の許可の取消し又は特定労働者派遣事業の廃止の命令の処分に係る行政手続

法)第15 条の規定による通知があった日から当該処分をする日又は処分をしないことを決定する日ま

での間に一般労働者派遣事業の廃止の届出又は特定労働者派遣事業の廃止の届出をした場合で、当該

届出の日から起算して5年を経過しない場合に欠格事由に該当する

(5)暴力団員又は暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者にその事業活動を支配されている場合

(6)暴力団員等をその業務に従事させ、又はその業務の補助者として使用するおそれのある場合

(7)役員(業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者をいい、相談役、顧問その他

いかなる名称を有する者であるかを問わず、法人に対し業務を執行する社員、取締役、執行役又はこ

れらに準ずる者と同等以上の支配力を有するもの))が次のいずれかに該当する者がある場合

 ア 禁固以上の刑に処せられ、又は前記のイからハまで及びトからヲまでの規定に違反し又はニ、ホ及びヘの罪を犯したことにより、罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して5年を経過していない者

 イ 成年被後見人、被保佐人又は破産者で復権していない者

 ウ 取消し又は命令の処分を受ける原因となった事項が発生した当時現に当該法人の役員であった

 者で、当該取消し又は命令の日から起算して5年を経過しないもの

 エ 一般労働者派遣事業の廃止の届出又は特定労働者派遣事業の廃止の届出をした者が法人である場合において、当該法人の役員であった者で、当該届出の日から起算して5年を経過しないもの

 オ 暴力団員等

 カ 一般労働者派遣事業について法定代理人から営業の許可を受けていない未成年者であって、その法定代理人(当該法人の役員)が上記イからカまでのいずれかに該当する者又はその法定代理人が上記(1)から(4)までのいずれかに該当する者

 

3.特定労働者派遣事業の届出に係る届出事業者の書類の具備

・書類の備付け等
 当該書類の備付け及び提示は、一般労働者派遣事業の許可証と同様に、特定労働者派遣事業を行う者が適法に事業活動を行っていることを関係者に知らせるための措置である。
※「関係者」とは、一般労働者派遣事業における関係者と同様である。
 特定労働者派遣事業所の事業所における書類の備付け及び提示について、特定労働者派遣事業届出書の写し及び変更の届出により交付される書類の複写によって行っても差し支えない。
 (ニ) 書面によらず電磁的記録により当該書類の作成を行う場合は、電子計算機に備えられたファイルに記録する方法又は磁気ディスク、シーディー・ロムその他これらに準ずる方法により一定の事項を確実に記録しておくことができる物(以下「磁気ディスク等」という。)をもって調製する方法により作成を行わなければならない。
 また、書面によらず電磁的記録により当該書類の備付けを行う場合は、次のいずれかの方法によって行った上で、必要に応じ電磁的記録に記録された事項を出力することにより、直ちに明瞭かつ整然とした形式で使用に係る電子計算機その他の機器に表示し、及び書面を作成できるようにしなければならない。
 a  作成された電磁的記録を電子計算機に備えられたファイル又は磁気ディスク等をもって調製するファイルにより保存する方法
 b  書面に記載されている事項をスキャナ(これに準ずる画像読取装置を含む。)により読み取ってできた電磁的記録を電子計算機に備えられたファイル又は磁気ディスク等をもって調製するファイルにより保存する方法
 さらに、電磁的記録により当該書類の備付けをしている場合において、当該書類の提示を行うときは、当該事業所に備え置く電子計算機の映像面における表示又は当該電磁的記録に記録された事項を出力した書類により行わなければならない。
 法第18条に違反して当該書類を事業所に備え付けず、又は関係者からの請求があったときにこれを提示しなかった場合、特定派遣元事業主は事業停止命令、改善命令の対象となる。

 

4.特定労働者派遣事業者の届出事項の変更届

 特定派遣元事業主が次に掲げる事項を変更したときは、管轄労働局を経て、厚生労働大臣に対し

て、変更の届出をしなければならない。

  ① 氏名又は名称、

  ② 住所、③ 代表者の氏名、(変更の翌日から10日以内)

  ④ 役員(代表者を除く。)の氏名、(変更の翌日から10日以内)

  ⑤ 役員の住所、(変更の翌日から10日以内)

  ⑥ 特定労働者派遣事業を行う事業所の名称、(変更の翌日から10日以内)

  ⑦ 特定労働者派遣事業を行う事業所の所在地、(変更の翌日から10日以内)

  ⑧ 特定労働者派遣事業を行う事業所の派遣元責任者の氏名、(変更の翌日から30日以内)

  ⑨ 特定労働者派遣事業を行う事業所の派遣元責任者の住所、(変更の翌日から30日以内)

  ⑩ 特定労働者派遣事業を行う事業所における特定製造業務 

  (第4の1の(1)のホ参照)への労働者派遣の開始・終了、(変更の翌日から10日以内)

  ⑪ 特定労働者派遣事業を行う事業所の新設

  (事業所における特定労働者派遣事業の開始)、(変更の翌日から10日以内)

  ⑫ 特定労働者派遣事業を行う事業所の廃止

  (事業所における特定労働者派遣事業の終了)(変更の翌日から10日以内)

ただし、事業所における次の⑥から⑫までに掲げる事項の変更のみを届け出るときは、当該変更後の事業所管轄労働局へ届出を行うことも差し支えないこと

 

 

 

 

以上で労働者派遣法第16条・第17条・第18条・第19条を終了します。

 

追記

今般の改正で、原則的に全ての労働者派遣事業を許可制に変更する理由としては、事業者の誤解や恣

意により、専ら常用派遣労働者を使用している(若干登録型派遣労働者は所属しているが・・・)事

業者が、登録みので事業を行っている恐れがあるものと推定します。届出と許可の書類はほぼ同一で

あり、行政側からみても、事実上同一の運用を行っているのではないかと思います。全て許可(他法

の規定で届出となっている場合を除きます。)とすることは、一定の合理性を持つはずですから、一

般・特定の一元化についての改正は行うべきものと思料いたします。