労働者派遣法第53条、第54条、第55条、第56条、第57条
労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護に関する法律
第53条(労働者派遣事業適正運営協力員)
厚生労働大臣は、社会的信望があり、かつ、労働者派遣事業の運営及び派
遣就業について専門的な知識経験を有する者のうちから、労働者派遣事業適
正運営協力員を委嘱することができる。
2労働者派遣事業適正運営協力員は、労働者派遣事業の適正な運営及び適正な派遣
就業の確保に関する施策に協力して、労働者派遣をする事業主、労働者派遣の役務
の提供を受ける者、労働者等の相談に応じ、及びこれらの者に対する専門的な助言
を行う。
3労働者派遣事業適正運営協力員は、正当な理由がある場合でなければ、その職務
に関して知り得た秘密を他に漏らしてはならない。労働者派遣事業適正運営協力員
でなくなつた後においても、同様とする。
4労働者派遣事業適正運営協力員は、その職務に関して、国から報酬を受けない。
5労働者派遣事業適正運営協力員は、予算の範囲内において、その職務を遂行するために要する費用の支給を受けることができる。
第54条(手数料)
次に掲げる者は、実費を勘案して政令で定める額の手数料を納付しなければならない。
一 第五条第一項の許可を受けようとする者
二 第八条第三項の規定による許可証の再交付を受けようとする者
三 第十条第二項の規定による許可の有効期間の更新を受けようとする者
四 第十一条第四項の規定による許可証の書換えを受けようとする者
令第10条(手数料の額)
法第五十四条の政令で定める額は、次の各号に掲げる者の区分に応じ、当該各号
に定める額とする。
一 法第五十四条第一号に掲げる者 十二万円(一般労働者派遣事業を行う事業所の数が二以上の場合にあつては、五万五千円に当該事業所数から一を減じた数を乗じて得た額に十二万円を加えた額)
二 法第五十四条第二号に掲げる者 再交付を受けようとする許可証一枚につき千五百円
三 法第五十四条第三号に掲げる者 五万五千円に一般労働者派遣事業を行う事業所の数を乗じて得た額
四 法第五十四条第四号に掲げる者 書換えを受けようとする許可証一枚につき三千円
則第54条(手数料の納付方法等)
法第五十四条の規定による手数料は、申請書に当該手数料の額に相当する額の収入印紙をはつて、納付しなければならない。
2 前項の手数料は、これを納付した後においては、返還しない。
第55条(経過措置の命令への委任)
この法律の規定に基づき政令又は厚生労働省令を制定し、又は改廃する場合においては、それぞれ政令又は厚生労働省令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。
第56条(権限の委任)
この法律に定める厚生労働大臣の権限は、厚生労働省令で定めるところにより、その一部を都道府県労働局長に委任することができる。
則第55条(権限の委任)
次に掲げる厚生労働大臣の権限は、労働者派遣事業を行う者の主たる事務所及び
当該事業を行う事業所の所在地並びに労働者派遣の役務の提供を受ける者の事業所
その他派遣就業の場所の所在地を管轄する都道府県労働局長に委任する。ただし、
厚生労働大臣が自らその権限を行うことを妨げない。
一 法第十四条第二項の規定による命令
二 法第二十一条第二項の規定による命令
三 法第四十八条第一項の規定による指導及び助言、同条第二項の規定による勧告並びに同条第三項の規定による指示
四 法第四十九条第一項及び第二項の規定による命令
五 法第四十九条の二第一項及び第二項の規定による勧告
六 法第五十条の規定による報告徴収
七 法第五十一条の規定による立入検査
第57条(厚生労働省令への委任)
この法律に定めるもののほか、この法律の実施のために必要な手続その他の事項は、厚生労働省令で定める。
○業務取扱要領による確認
1.労働者派遣事業運営協力員(長野労働局HPより)
労働者派遣事業適正運営協力員制度は、労働者派遣事業の適正な運営及び適正な派遣・就業の確保に関する施策に協力して、派遣元事業主、派遣先、派遣労働者等の相談に応じて、専門的な助言を行うこと等を目的とする制度です。
労働者派遣法の施行に当たっては,行政機関による違法行為の防止、摘発に加え、民間の自主的な活動によって労働者派遣事業の適正な運営及び派遣労働者の保護を図っていくことが必要不可欠です。このため、行政機関の違法行為の防止、摘発を補完するものとして派遣先、派遣労働者等に対する相談援助等を行う労働者派遣事業適正運営協力員を民間から選任しています。
厚生労働大臣は、社会的信望があり、かつ、労働者派遣事業の運営及び派遣就業について専門的な知識経験を有する者のうちから、労働者派遣事業適正運営協力員を委嘱することができることとなっています。委嘱された労働者派遣事業適正運営協力員は、労働者派遣事業の適正な運営及び派遣就業の確保に関する施策に協力して、派遣元事業主、派遣先、派遣労働者等の相談に応じ、専門的な助言を行います。
各公共職業安定所には、地域の労働者派遣事業適正運営協力員の氏名、連絡先を記載した名簿を掲示し、又は備え付けており、派遣労働者や派遣元事業主等からの問い合わせに応じているほか、自由に閲覧できるようになっています。
なお、長野県では、労働者側・使用者側各々10名の労働者派遣事業運営協力員が選任されていま
す。お住まいの各都道府県労働局HPにてご確認ください。
2.第54条、第55条
第54条及び第56条は省略します。
3.厚生労働大臣の権限委任
則第55条の規定により次に掲げる厚生労働大臣の権限は、都道府県労働局長に委任することがで
きます。ただし、大臣みずから権限行使を行ってもよいこととされています。
① 法第十四条第二項の規定による命令
厚生労働大臣は、一般派遣元事業主が前項第二号又は第三号に該当するときは、期間を定め
て当該一般労働者派遣事業の全部又は一部の停止を命ずることができる。
② 法第二十一条第二項の規定による命令
厚生労働大臣は、特定派遣元事業主がこの法律(次章第四節の規定を除く。)若しくは職
業安定法の規定又はこれらの規定に基づく命令若しくは処分に違反したときは、期間
を定めて当該特定労働者派遣事業の全部又は一部の停止を命ずることができる。
③ 法第四十八条第一項の規定による指導及び助言、同条第二項の規定による勧告
並びに同条第三項の規定による指示
1厚生労働大臣は、この法律(前章第四節の規定を除く。第四十九条の三第一項、第五十条及び
第五十一条第一項において同じ。)の施行に関し必要があると認めるときは、労働者派遣をす
る事業主及び労働者派遣の役務の提供を受ける者に対し、労働者派遣事業の適正な運営又は
適正な派遣就業を確保するために必要な指導及び助言をすることができる。
2厚生労働大臣は、労働力需給の適正な調整を図るため、労働者派遣事業が専ら労働者派遣の役
務を特定の者に提供することを目的として行われている場合(第七条第一項第一号の厚生労働省
令で定める場合を除く。)において必要があると認めるときは、当該派遣元事業主に対し、当該
労働者派遣事業の目的及び内容を変更するように勧告することができる。
3厚生労働大臣は、第二十三条第三項又は第二十三条の二の規定に違反した派遣元事業主に対
し、第一項の規定による指導又は助言をした場合において、当該派遣元事業主がなお第二十三
条第三項又は第二十三条の二の規定に違反したときは、当該派遣元事業主に対し、必要な措置
をとるべきことを指示することができる。
④ 法第四十九条第一項及び第二項の規定による命令
1厚生労働大臣は、派遣元事業主が当該労働者派遣事業に関しこの法律(第二十三条第三項及び第
二十三条の二の規定を除く。)その他労働に関する法律の規定(これらの規定に基づく命令の規
定を含む。)に違反した場合において、適正な派遣就業を確保するため必要があると認めるとき
は、当該派遣元事業主に対し、派遣労働者に係る雇用管理の方法の改善その他当該労働者派遣
事業の運営を改善するために必要な措置を講ずべきことを命ずることができる。
2厚生労働大臣は、派遣先が第四条第三項の規定に違反している場合において、同項の規定に違
反している派遣就業を継続させることが著しく不適当であると認めるときは、当該派遣先に労
働者派遣をする派遣元事業主に対し、当該派遣就業に係る労働者派遣契約による労働者派遣の
停止を命ずることができる。
⑤ 法第四十九条の二第一項及び第二項の規定による勧告
1厚生労働大臣は、労働者派遣の役務の提供を受ける者が、第四条第三項、第二十四条の二、第
四十条の二第一項、第四十条の四、第四十条の五若しくは第四十条の六第一項の規定に違反し
ているとき、又はこれらの規定に違反して第四十八条第一項の規定による指導若しくは助言を
受けたにもかかわらずなおこれらの規定に違反するおそれがあると認めるときは、当該労働者
派遣の役務の提供を受ける者に対し、第四条第三項、第二十四条の二、第四十条の二第一項若
しくは第四十条の六第一項の規定に違反する派遣就業を是正するために必要な措置若しくは当
該派遣就業が行われることを防止するために必要な措置をとるべきこと又は第四十条の四若し
くは第四十条の五の規定による労働契約の申込みをすべきことを勧告することができる。
2厚生労働大臣は、派遣先が第四十条の二第一項の規定に違反して労働者派遣の役務の提供を受
けており、かつ、当該労働者派遣の役務の提供に係る派遣労働者が当該派遣先に雇用されるこ
とを希望している場合において、当該派遣先に対し、第四十八条第一項の規定により当該派遣
労働者を雇い入れるように指導又は助言をしたにもかかわらず、当該派遣先がこれに従わなか
つたときは、当該派遣先に対し、当該派遣労働者を雇い入れるように勧告することができる。
⑥ 法第五十条の規定による報告徴収
厚生労働大臣は、この法律を施行するために必要な限度において、厚生労働省令で定めるとこ
ろにより、労働者派遣事業を行う事業主及び当該事業主から労働者派遣の役務の提供を受ける
者に対し、必要な事項を報告させることができる。
⑦ 法第五十一条の規定による立入検査
厚生労働大臣は、この法律を施行するために必要な限度において、所属の職員に、労働者派遣
事業を行う事業主及び当該事業主から労働者派遣の役務の提供を受ける者の事業所その他の施
設に立ち入り、関係者に質問させ、又は帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。
以上で第53条・第54条・第55条・第57条を終了します。