2015年06月27日 13:17
労働者亜派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律
第58条(罰則)
公衆衛生又は公衆道徳上有害な業務に就かせる目的で労働者派遣をした者は、一年以上
十年以下の懲役又は二十万円以上三百万円以下の罰金に処する。
第59条
次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
一 第四条第一項又は第十五条の規定に違反した者
二 第五条第一項の許可を受けないで一般労働者派遣事業を行つた者
三 偽りその他不正の行為により第五条第一項の許可又は第十条第二項の規定による許可の有効期間の更新を受けた者
四 第十四条第二項又は第二十一条の規定による処分に違反した者
第60条
次の各号のいずれかに該当する者は、六月以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。
第61条
次の各号のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。
一 第五条第二項(第十条第五項において準用する場合を含む。)に規定する申請書、第五条第三項(第十条第五項において準用する場合を含む。)に規定する書類、第十六条第一項に規定する届出書又は同条第二項に規定する書類に虚偽の記載をして提出した者
二 第十一条第一項、第十三条第一項、第十九条第一項、第二十条若しくは第二十三条第四項の規定による届出をせず、若しくは虚偽の届出をし、又は第十一条第一項若しくは第十九条第一項に規定する書類に虚偽の記載をして提出した者
三 第三十四条、第三十五条の二第一項、第三十六条、第三十七条、第四十一条又は第四十二条の規定に違反した者
四 第三十五条の規定による通知をせず、又は虚偽の通知をした者
五 第五十条の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者
六 第五十一条第一項の規定による立入り若しくは検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の陳述をした者
第62条(両罰規定)
法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人
の業務に関して、第五十八条から前条までの違反行為をしたときは、行為者を罰するほ
か、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。
○業務取扱要領(罰則)
1.概要
労働者派遣事業の適正な運用を確保し労働力需給の適正な調整を図るとともに、派遣労働者の適正な就業条件を確保することにより、その保護及び雇用の安定を図るため、派遣労働者等からの相談に対する適切な対応や、派遣元事業主、派遣先等に対する労働者派遣事業制度の周知徹底、指導、助言及び指示を通じて違法行為の防止を行うとともに法違反を確認した場合には、所要の指導、助言、指示、行政処分又は告発を行うこととする。
2.罰則該当行為等
ア 不利益取扱いの禁止(法第49条の3)
労働者派遣を行う事業主又は労働者派遣の役務の提供を受ける者が、法又は法に基づく命令の規定に違反していた場合については、派遣労働者は、その事実を厚生労働大臣に申告することができるが、当該申告を行ったことを理由として、労働者派遣を行う事業主又は労働者派遣の役務の提供を受ける者が当該派遣労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならないこととされている(法第49 条の3)。
なお、不利益取扱いの禁止の規定に違反した場合は、法第60 条第2号に該当し、6か月以下の懲役又は30 万円以下の罰金に処せられる場合がある。
イ 報告義務(法第50条)
当該報告は、定期報告(法第23 条第1項及び第3項。第6の1及び2参照)とは異なり、当該定期報告だけでは、事業運営の状況及び派遣労働者の就業状況を十分把握できない場合であって、違法行為の行われているおそれのある場合等特に必要がある場合について個別的に必要な事項を報告させるものである。
この報告をせず、又は虚偽の報告をした場合は、法第61 条第5号に該当し、30 万円以下の罰
金に処せられる場合がある。
ウ 立ち入り検査(法第51条第1項)
厚生労働大臣は、法(第3章第4節の規定は除く。)を施行するために必要な限度において、職業安定機関の職員に、労働者派遣事業を行う事業主及び当該事業主から労働者派遣の役務の提供を受ける者の事業所その他の施設に立ち入り、関係者に質問させ、又は帳簿、書類その他の物件を検査させることができる(法第51 条第1項)。
この立入り若しくは検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の陳述をした場合は、法第61 条第6号に該当し、30 万円以下の罰金に処せられる場合がある。
3.罰則のまとめ
①罰則内容(1年以下の懲役又は100万円以下の罰金)
条文 違反行為
第4条第1項 適用除外業務について、労働者派遣事業を行った者
第5条第1項 厚生労働大臣の許可を受けないで一般労働者派遣事業を行った者
又は 偽りその他不正の行為により一般労働者派遣事業の許可を受けた者
②罰則内容(30万円以下の罰金)
条文 違反行為
第5条第2項 一般労働者派遣事業の許可又は許可の有効期間の更新の申請書、事業計画書
又は第3項 等の書類に虚偽の記載をして提出した者
(第10条第5
項において準
用する場合を
含む。)
第11条第1項 一般労働者派遣事業の氏名等の変更の届出をせず、又は虚偽の届出を
した者
第13条第1項 一般労働者派遣事業の廃止の届出をせず、又は虚偽の届出をした者
第16条第1項 特定労働者派遣事業の届出書に虚偽の記載をして提出した者
第16条第2項 特定労働者派遣事業の事業計画書等の書類に虚偽の記載をして提出
した者
第19条第1項 特定労働者派遣事業の届出書の記載事項の変更の届出をせず、又は虚偽の
届出をした者
第20条 特定労働者派遣事業の廃止の届出をせず、又は虚偽の届出をした者
第23条第4項 海外派遣の届出をせず、又は虚偽の届出をした者
第34条 労働者派遣をしようとする場合に、あらかじめ、当該派遣労働者に就業条件
等の明示を行わなかった者
第35条 労働者派遣をするとき、派遣労働者の氏名等を派遣先に通知をせず、又は虚
偽の通知をした者
第35条の2 労働者派遣の役務の提供を受ける期の制限に抵触することとなる最初の日
第1項 以降継続して労働者派遣を行った者
第36条 派遣元責任者を選任しなかった者
第37条 派遣元管理台帳を作成若しくは記載せず、又はそれを3年間保存しな
かった者
第41条 派遣先責任者を選任しなかった者
第42条 派遣先管理台帳を作成若しくは記載せず、それを3年間保存せず、又はその
記載事項(派遣元事業主の氏名及び名称は除く。)を派遣元事業主に通知し
なかった者
第50条 必要な報告をせず、又は虚偽の報告をした者
第51条第1項 関係職員の立入検査に際し、立入り若しくは検査を拒み、妨げ、若しくは忌
避し、又は質問に対して答弁せず、若しくは虚偽の陳述をした者
③罰則内容(1年以下の懲役又は100万円以下の罰金)
条文 違反行為
第10条第2項 偽りその他不正の行為により一般労働者派遣事業の許可の有効期間の更新を
受けた者
第14条第2項 期間を定めた一般労働者派遣事業の全部又は一部の停止についての厚生労働
大臣の命令に違反した者
第15条 一般派遣元事業主の名義をもって、他人に一般労働者派遣事業を行わせた者
第21条 特定労働者派遣事業の廃止又は期間を定めた事業の全部又は一部の停止につ
いての厚生労働大臣の命令に違反した者
④罰則内容(6月以下の懲役又は30万円以下の罰金)
条文 違反行為
第16条第1項 厚生労働大臣に届出書を提出しないで特定労働者派遣事業を行った者
又は 特定労働者派遣事業を行う事業所の新設に係る変更届出の際、事業計画書
等の添付書類に虚偽の記載をして提出した者
第22条 特定派遣元事業主の名義をもって、他人に特定労働者派遣事業を行わ
せた者
第49条第1項 派遣労働者に係る雇用管理の方法の改善その他当該労働者派遣事業の運営を
改善するために必要な措置を講ずべき旨の厚生労働大臣の命令(改善命令)
に違反した者
第49条第2項 継続させることが著しく不適当であると認められる派遣就業に係る労働者派
遣契約による労働者派遣を停止する旨の厚生労働大臣の命令に違反した者
第49条の3 法又はこれに基づく命令の規定に違反する事実がある場合において、派遣労
第2項 働者がその事実を厚生労働大臣に申告したことを理由として、当該派遣労働
者に対して解雇その他不利益な取扱いをした者
⑤その他の罰則(1年以上10年以下の懲役又は20万円以上300万円以下の罰金)
有害派遣 公衆衛生又は公衆道徳上有害な業務に就かせる目的で労働者派遣をした者
4.両罰規定(法第62条)
法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業員が、その法人又は人の義務に関して、上記の違反行為をしたときは、その法人又は人に対しても、各々の罰金刑を科す。
以上で第58条・第59条・第60条・第61条・第62条を終了します。