均等法第25条・第26条・第27条・第28条・第29条
雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律
第25条(訴訟手続の中止)
第18条第1項に規定する紛争のうち民事上の紛争であるものについて関係当時者間に訴訟が係属する場合において、次の各号のいずれかに掲げる掲げる事由があり、かつ、関係当時者の共同の申立てがあるときは、受訴裁判所は、四月以内の期間を定めて訴訟手続きを中止する旨の決定をすることができる。
一 当該紛争について、関係当時者間において調停が実施されること。
ニ 前号に規定する場合のほか、関係当時者間に調停によつて当該紛争の解決を図る旨の合意があること。
2 受訴裁判所は、いつでも前項の決定を取り消すことができる。
3 第1項の申立てを却下する決定及び前項の規定により第1項の決定を取り消す決定に対しては、不服を申し立てることができない。
○通達による確認(平成18年雇児発第1011002号)第25条
・訴訟手続の中止(法第25条)
法第25条は、当事者が調停による紛争解決が適当であると考えた場合であって、調停の対象となる紛争のうち民事上の紛争であるものについて訴訟が係属しているとき、当事者が和解交渉に専念する環境を確保することができるよう、受訴裁判所は、訴訟手続を中止することができることとする規定を設けたものであること。
※訴訟に関する事項は全くの専門外(弁護士又は一部の司法書士が専門家)ですので、記述を避けます。
第26条(資料提供の要求等)
委員会は、当該委員会に係属している事件の解決のために必要があると認めるときは、関係行政庁に対し、資料の提供その他必要な協力を求めることができる。
○通達による確認(平成18年雇児発第1011002号)第26条
・資料提供の要求等(法第26条)
法第26条の「関係行政庁」とは、例えば、国の機関の地方支分部局や都道府県等の地方自治体が考えられるものであること。
「その他必要な協力」とは、情報の提供や便宜の供与等をいうものであること。
※紛争調整委員会の規定ですから、記述を割愛します。
第27条(厚生労働省令への委任)
この節に定めるもののほか、調停の手続に関し必要な事項は、厚生労働省令で定める。
※均等法施行規則第3条~第12条に、紛争調整委員会に関する補足規定が定められています。
第28条(調査等)
厚生労働大臣は、男性労働者及び女性労働者のそれぞれの職業生活に関し必要な調査研究を実施するものとする。
2 厚生労働大臣は、この法律の施行に関し、関係行政機関の長に対し、資料の提供その他必要な協力を求めることができる。
3 厚生労働大臣は、この法律の施行に関し、都道府県知事から必要な調査報告を求めることができる。
○通達による確認(平成18年雇児発第1011002号)第26条
厚生労働大臣は、男性労働者及び女性労働者それぞれの職業生活に関し必要な調査研究を実施し、その成果を通じて雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等を図るための施策の一層の推進を図ることとしたものであること。
また、厚生労働大臣は、この法律の施行に関し、関係行政機関の長に対し、資料の提供その他必要な協力を求め、さらに、都道府県知事から必要な調査報告を求めることができる旨明らかにしたものであること。
○女性労働者等に関する調査研究
中央省庁は、年次の白書等を発行していることはご存知の通りです。厚生労働省においても、「厚生労働白書」「労働経済白書」「海外情勢報告」「働く女性の実情」「ものづくり白書」「児童手当事業年報」「月例労働経済報告」当が発行されています。これらは、厚生労働省のホームページの白書、年次報告書の項目をクリックすれば確認できます。
参考:平成25年度版働く女性の実情 https://www.mhlw.go.jp/bunya/koyoukintou/josei-jitsujo/13.html
第29条(報告の徴収並びに助言、指導及び勧告)
厚生労働大臣は、この法律の施行に関し必要があると認めるときは、事業主に対して、報告を求め、又は助言、指導若しくは勧告をすることができる。
2 前項に定める厚生労働大臣の権限は、厚生労働省令で定めるところにより、その一部を都道府県労働局長に委任することができる。
均等法施行規則第14条(権限の委任)
法第29条第1項に規定する厚生労働大臣の権限は、厚生労働大臣が全国的に重要であると認めた事案に係るものを除き、事業主の事業場の所在地を管轄する都道府県労働局の長が行うものとする。
○通達による確認(平成18年雇児発第1011002号)第29条
・報告の聴取並びに助言、指導及び勧告(法第29条)
(1)法の目的を達成するための行政機関固有の権限として、厚生労働大臣又は都道府県労働局長は、この法律の施行に関し必要があると認めるときは、事業主に対して、報告を求め、又は助言、指導若しくは勧告をすることができることとしたものであること。
(2)本条の厚生労働大臣の権限は、労働者からの申立て、第三者からの情報、職種等その端緒を問わず、必要に応じて行使し得るものであること。
(3)第1項の「この法律の施行に関し必要があると認めるとき」とは、法によって具体的に事業主の責務とされた事項について、当該責務が十分に遂行されていないと考えられる場合において、当該責務の遂行を促すことが法の目的に照らし必要であると認められるとき等をいうものであること。
(4)則第14条の「厚生労働大臣が全国的に重要であると認めた事案」とは、
イ 広範囲な都道府県にまたがり、その事案の処理に当たって各方面との調整が必要であると考えられる事案
ロ 当該事案の性質上社会的に広汎な影響力を持つと考えられる事案
ハ 都道府県労働局長が勧告を行ったにもかかわらず是正されない事案
等をいうものであり、厚生労働大臣が自ら又は都道府県労働局長の上申を受けてその都度判断するものであること。
「事業場」とは、当該事案に係る事業場であって、本社たる事業場に限られるものではないものであること。
※均等法第29条の厚生労働大臣が行う事業主に報告を求め、事業主に指導・勧告を行うのは、則第14条の規定により専ら委任を受けた都道府県労働局長が行うとされています。
以上で、均等法第25条~第29条を終了します。
第25条、第26条、第27条、第28条、第29条