雇用保険とは何か? 3

2015年09月10日 13:41

逐条考察

被保険者にならない労働者

 

第六条 (適用除外

 次に掲げる者については、この法律は、適用しない。

一 六十五歳に達した日以後に雇用される者(同一の事業主の適用事業に同日の前日から引き続いて六十五歳に達した日以後の日において雇用されている者及びこの法律を適用することとした場合において第三十八条第一項に規定する短期雇用特例被保険者又は第四十三条第一項に規定する日雇労働被保険者に該当することとなる者を除く。)

二 一週間の所定労働時間が二十時間未満である者(この法律を適用することとした場合において第四十三条第一項に規定する日雇労働被保険者に該当することとなる者を除く。)

三 同一の事業主の適用事業に継続して三十一日以上雇用されることが見込まれない者(前二月の各月において十八日以上同一の事業主の適用事業に雇用された者及びこの法律を適用することとした場合において第四十二条に規定する日雇労働者であつて第四十三条第一項各号のいずれかに該当するものに該当することとなる者を除く。)

四 季節的に雇用される者であつて、第三十八条第一項各号のいずれかに該当するもの

五 学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第一条、第百二十四条又は第百三十四条第一項の学校の学生又は生徒であつて、前各号に掲げる者に準ずるものとして厚生労働省令で定める者

六 船員法(昭和二十二年法律第百号)第一条に規定する船員(船員職業安定法(昭和二十三年法律第百三十号)第九十二条第一項の規定により船員法第二条第二項に規定する予備船員とみなされる者及び船員の雇用の促進に関する特別措置法(昭和五十二年法律第九十六号)第十四条第一項の規定により船員法第二条第二項に規定する予備船員とみなされる者を含む。以下「船員」という。)であつて、漁船(政令で定めるものに限る。)に乗り組むため雇用される者(一年を通じて船員として適用事業に雇用される場合を除く。)

七 国、都道府県、市町村その他これらに準ずるものの事業に雇用される者のうち、離職した場合に、他の法令、条例、規則等に基づいて支給を受けるべき諸給与の内容が、求職者給付及び就職促進給付の内容を超えると認められる者であつて、厚生労働省令で定めるもの

 

雇用保険法施行令

第二条 (法第六条第三号の政令で定める漁船)

法第六条第三号の政令で定める漁船は、次に掲げる漁船以外の漁船とする。

 一 漁業法第五十二条第一項の指定漁業を定める政令(昭和三十八年政令第六号)第一項

   第二号に掲げる以西底びき網漁業、同項第三号に掲げる遠洋底びき網漁業又は同項

   第六号に掲げる小型捕鯨業に従事する漁船

二 専ら漁猟場から漁獲物又はその化製品を運搬する業務に従事する漁船

三 漁業に関する試験、調査、指導、練習又は取締業務に従事する漁船

 

雇用保険法施行規則

第三条の二 (法第六条第五号に規定する厚生労働省令で定める者)

法第六条第五号に規定する厚生労働省令で定める者は、次の各号に掲げる者以外の者とする。

一 卒業を予定している者であつて、適用事業に雇用され、卒業した後も引き続き当該事業に雇用されることとなつているもの

二 休学中の者

三 定時制の課程に在学する者

四 前三号に準ずる者として職業安定局長が定めるもの

 

第四条 (法第六条第七号の厚生労働省令で定める者)

 法第六条第七号の厚生労働省令で定める者は、次のとおりとする。

一 国又は独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号)第二条第四項に規定する行政執行

  法人(以下「行政執行法人」という。)の事業に雇用される者(国家公務員退職手当法

  (昭和二十八年法律第百八十二号)第二条第一項に規定する常時勤務に服すること

  を要する国家公務員以外の者であつて、同条第二項の規定により職員とみなされ

  ないものを除く)

二 都道府県、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百八十四条第二項の規定によ

  る方公共団体の組合で都道府県が加入するもの又は地方独立行政法人法(平成十

  五年法律第百十八)第二条第二項に規定する特定地方独立行政法人(以下「特定地

  方独立行政法人」という。)であつて設立に当たり総務大臣の認可を受けたものその他都

  道府県に準ずるもの(以下この号及び次条第一項において「都道府県等」という。)

  の事業に雇用される者であつて、当該都道府県等の長が法を適用しないことについて、

  厚生労働大臣に申請し、その承認を受けたもの

三 市町村又は地方自治法第二百八十四条第二項、第三項、第五項及び第六項の規定による

  地方公共団体の組合で都道府県が加入しないもの、特定地方独立行政法人であつて設立

  に当たり都道府県知事の認可を受けたもの若しくは国、地方公共団体若しくは特定地方

  独立行政法人以外の者で学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第一条の学校、

  同法第百三十四条第一項の各種学校若しくは就学前の子どもに関する教育、保育等の

  総合的な提供の推進に関する法律(平成十八年法律第七十七号。第百一条の十一の二

  第一号において「認定こども園法」という。)第二条第七項に規定する幼保連携型認

  定こども園における教育、研究若しくは調査の事業を行うもの(以下この号において「学

  校等」という。)その他市町村に準ずるもの(以下この号及び次条第一項において

 「市町村等」という。)の事業(学校等が法人である場合には、その事務所を除く。)

  に雇用される者であつて、当該市町村等の長が法を適用しないことについて、都道府県

  労働局長に申請し、厚生労働大臣の定める基準によつて、その承認を受けたもの

2 前項第二号又は第三号の承認の申請がなされたときは、その承認の申請に係る被保険者に

  ついては、その承認の申請がなされた日から法を適用しない。ただし、法を適用しないこ

  とについて承認をしない旨の決定があつたときは、その承認の申請がなされた日にさかの

  ぼつて法を適用する。

 

 

○雇用保険の被保険者とならない労働者

 次の1.~7.に該当する労働者は、被保険者になりません。

1.65歳以降に新たに雇用された労働者

 ただし、次の場合には被保険者となる。

 ①同じ会社等に65歳以前から引き続き雇用されている者が65歳に達した場合は、被保険者となる。

 ②短期雇用特例被保険者

  短期雇用特例被保険者とは、※1季節的に雇用される者又は※2短期(1年未満)の雇用につくことを常態とする者を言う。

 

 ※1季節的に雇用される者(昭和50年発労徴第一七号・基発第一六六号・婦発第八二号・職発第九七号・訓発第五五号)

  「季節的に雇用される者」とは、季節的業務に期間を定めて雇用される者又は季節的に入離職する者をいう。この場合において、季節的業務とは、その業務が季節、天候その他自然現象の影響によって一定の時季に偏して行われるものをいう。

  また、期間を定めないで雇用される者であっても、季節の影響を受けることにより、雇用された日から一年未満の間に離職することが明らかであるものは、季節的に雇用される者に該当するものである。

  なお、「季節的業務に期間を定めて雇用される者」と「季節的に入離職する者」のいずれに属するかを厳格に区別する必要はなく、雇用期間が一年未満であるかどうか及び季節の影響を強く受けるかどうかをは握すれば足りるものである。

 

 ※2短期の雇用に就くことを常態とする者

  「短期の雇用に就くことを常態とする者」とは、過去の相当期間において、一年未満の雇用に就くことを繰り返し、かつ、新たな雇用も一年未満の雇用であるものをいう。

 

  次のすべてに該当する者は、「短期の雇用に就くことを常態とする者」である。

  () 対象期間において二回以上短期の雇用に係る離職をしたこと。

   ここで、対象期間とは、被保険者となった場合に当該被保険者となった日前三年間(当該期間内に、同一の事業主に引き続いて一年以上被保険者として雇用された後離職したことがある者にあっては、当該雇用に係る被保険者でなくなった日以後最初に被保険者となった日前の期間、また、引き続いて一年以上被保険者でない期間があり、当該期間の後に被保険者となったことがある者にあっては、当該被保険者となった日前の期間を除いた期間)をいう。

  () 対象期間が二年以上であること。

  () 新たな雇用が一年以上継続して雇用される見込みのあるものでないこと。

  なお、新たな雇用がたまたま一年未満の期間とされる場合であっても、当該事業が期間を限って行われるものではなく、かつ、当該地域において同種の業務に従事する労働者が年間を通じて雇用されることが一般的である場合において、当該労働者が一年未満の期間を限って雇用される事情が特にあると認められないときは、()に該当する者として取り扱わないものとする。 

 

法第三十八条(短期雇用特例被保険者)

 被保険者であつて、季節的に雇用されるもののう次の各号のいずれにも該当しない者

(第四十三条第一項に規定する日雇労働被保険者を除く。以下「短期雇用特例被保険者」とい

う。)が失業した場合には、この節の定めるところにより、特例一時金を支給する。

一 四箇月以内の期間を定めて雇用される者

二 一週間の所定労働時間が二十時間以上であつて厚生労働大臣の定める時間数未満である者

2 被保険者が前項各号に掲げる者に該当するかどうかの確認は、厚生労働大臣が行う。

3 短期雇用特例被保険者に関しては、第二節(第十四条を除く。)、前節及び次節の規定は、適用しない。

 

2.一週間の所定労働時間が20時間未満の者

 「1週間の所定労働時間」とは、就業規則、雇用契約書等により、その者が通 常の週に勤務すべきこととされている時間のことをいいます。この場合の通常の 週とは、祝祭日及びその振替休日、年末年始の休日、夏季休暇などの特別休日を 含まない週をいいます。 なお、1週間の所定労働時間が短期的かつ周期的に変動する場合には、当該1 周期における所定労働時間の平均を1週間の所定労働時間とする。 また、所定労働時間が複数の週で定められている場合は、各週の平均労働時間 を、1か月単位で定められている場合は、1か月の所定労働時間を 12 分の 52 で 除して得た時間を、1年単位で定められている場合は、1 年の所定労働時間を 52 で除して得た時間を、それぞれ1週間の所定労働時間とする。

 

3.同一の事業主の適用事業に継続して三十一日以上雇用されることが見込まれない者

 例えば、二週間の有期雇用であっても、契約の更新が予定されていて31日以上雇用されることが明らかな場合、若しくは予定が変わって実際に31日以上雇用される事となった日に被保険者となる。

 

4.季節的に雇用される者で次のいずれかに該当するもの

 一 四箇月以内の期間を定めて雇用される者

二 一週間の所定労働時間が二十時間以上であつて厚生労働大臣の定める時間数未満である者

 

  この場合の「季節的に雇用される者」とは、季節的業務に期間を定めて雇用さ れる者または季節的に入・離職する者のことをいう。 なお、短期雇用特例被保険者(以下「特例被保険者」という。)が同一の事業 主に引き続き雇用された期間が1年以上となるに至ったときは、その1年以上雇 用されるに至った日以後は、特例被保険者でなくなり、一般被保険者(65 歳未 満)または高年齢継続被保険者(65 歳以上)となります。なお、その場合であっ ても事業主に雇用されたときに 65 歳以上であった者については、被保険者とならない。 また、同一事業所に連続して1年未満の雇用期間で雇用され、極めて短期間の 離職期間で入離職を繰り返し、その都度特例一時金を受給しているような労働者 については、原則として、以後は、一般被保険者として取り扱うこととなる。 

 

5.学校の学生又は生徒であって以下に該当しない者(則第三条の二)

 一 卒業を予定している者であつて、適用事業に雇用され、卒業した後も引き続き当該事業
   に雇用されることとなつているもの

二 休学中の者

三 定時制の課程に在学する者

四 前三号に準ずる者として職業安定局長が定めるもの

 

  昼間学生であっても、次に掲げる方は被保険者となる

  ① 卒業見込証明書を有する者であって、卒業前に就職し、卒業後も引き続き同一事業 所

   に勤務する予定の者。 

  ② 休学中の者(この場合、その事実を証明 する文書が必要となる) 

  ③ 事業主の命により又は、事業主の承認を受け ( 雇用関係を存続したまま ) 大学院等に

   在学する者。

  ④ 一定の出席日数を課程終了の要件としない学校に在学する者であって、当該事業に おい

   て、同種の業務に従事する他の労働者と同様に勤務し得ると認められる者。(この場

   合、その事実を証明する文書が必要となる)

 

6.一定の船員

  船員であって、特定漁船以外の漁船に乗 り組むために雇用される者(1年を通じて 雇用される場合を除く)は、被保険者とならない。

  他方、船舶所有者に雇用されている間は、乗船し ている船舶が航行する領域にかかわりなく被 保険者となる。 船員法に規定する特定の船舶に乗り組んで 労務を提供することを内容とする「雇入契約」 (乗船契約)の間のみならず、船内で使用さ れることを内容としない「雇用契約」(予備船 員としての契約)が締結される場合にも、そ の間において継続して被保険者となる。

 

7.国家公務員、地方公務員、またはみなし公務員のうち次の者は被保険者とならない

  国、県、市町村その他これに準ずる事業 に雇用されている者で、離職時に受ける諸給与が失業等給付の内容を超える者は被保険者とならない。(則第四条)

 

○被保険者に関するまとめ

 次の愛知労働局作成の資料が参考になります。(一部を記述に引用しています。)

 

 URL:https://aichi-roudoukyoku.jsite.mhlw.go.jp/var/rev0/0112/1682/201410115342.pdf

 

 

 

以上で、雇用保険法第六条(適用除外労働者)を終了します。