高齢者雇用法第40条、第41条

2015年06月09日 15:21

高年齢者等の雇用の安定等に関する法律

第40条(国及び地方公共団体の講ずる措置)

 国及び地方公共団体は、定年退職者その他の高年齢退職者の職業生活の充実その他福祉の増進に資するため、臨時的かつ短期的な就業又は次条第一項の軽易な業務に係る就業を希望するこれらの者について、就業に関する相談を実施し、その希望に応じた就業の機会を提供する団体を育成し、その他その就業の機会の確保のために必要な措置を講ずるように努めるものとする。

 

第41条(指定等)

 

 都道府県知事は、定年退職者その他の高年齢退職者の希望に応じた就業で、臨時的かつ短期的なもの又はその他の軽易な業務(当該業務に係る労働力の需給の状況、当該業務の処理の実情等を考慮して厚生労働大臣が定めるものに限る。次条において同じ。)に係るものの機会を確保し、及びこれらの者に対して組織的に提供することにより、その就業を援助して、これらの者の能力の積極的な活用を図ることができるようにし、もつて高年齢者の福祉の増進に資することを目的とする一般社団法人又は一般財団法人(次項及び第四十四条第一項において「高年齢者就業援助法人」という。)であつて、次条に規定する業務に関し次に掲げる基準に適合すると認められるものを、その申請により、市町村(特別区を含む。第四十四条において同じ。)の区域(当該地域における臨時的かつ短期的な就業の機会の状況その他の事情を考慮して厚生労働省令で定める基準に従い、次条第一号及び第二号に掲げる業務の円滑な運営を確保するために必要と認められる場合には、都道府県知事が指定する二以上の市町村の区域)ごとに一個に限り、同条に規定する業務を行う者として指定することができる。ただし、第四十四条第一項の指定を受けた者(以下「シルバー人材センター連合」という。)に係る同項の指定に係る区域(同条第二項又は第四項の変更があつたときは、その変更後の区域。以下「連合の指定区域」という。)については、この項の指定に係る区域とすることはできない。

一 職員、業務の方法その他の事項についての業務の実施に関する計画が適正なものであり、かつ、その計画を確実に遂行するに足りる経理的及び技術的な基礎を有すると認められること。

二 前号に定めるもののほか、業務の運営が適正かつ確実に行われ、高年齢者の福祉の増進に資すると認められること。

2 前項の指定は、その会員に同項の指定を受けた者(以下「シルバー人材センター」という。)を二以上有する高年齢者就業援助法人に対してはすることができない。

3 都道府県知事は、第一項の指定をしたときは、シルバー人材センターの名称及び住所、事務所の所在地並びに当該指定に係る地域を公示しなければならない。

4 シルバー人材センターは、その名称及び住所並びに事務所の所在地を変更しようとす

るときは、あらかじめ、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。

5 都道府県知事は、前項の届出があつたときは、当該届出に係る事項を公示しなければならない。

 

則第24条(法第四十一条第一項の厚生労働省令で定める基準)

 法第四十一条第一項の厚生労働省令で定める基準は、都道府県知事が指定しようとする二以上の市町村の区域が次に掲げる要件に該当することとする。

一 当該二以上の市町村の区域が近接し、かつ、当該区域に定年退職者その他の高年齢退職者が相当数存在すること。

二 当該二以上の市町村の区域において法第四十二条第一項に規定する業務が行われる場合には、単一の市町村の区域において当該業務が行われる場合に比し、臨時的かつ短期的な就業及びその他の軽易な業務に係る就業の機会の状況等にかんがみ、当該業務がより効率的に行われる見込みがあること。

 

則第24条の2(指定の申請)

 法第四十一条第一項の規定による指定を受けようとする者は、次の事項を記載した申請書を都道府県知事に提出しなければならない。

一 名称及び住所

二 代表者の氏名

三 事務所の所在地

2 前項の申請書には、次に掲げる書面を添付しなければならない。

一 定款及び登記事項証明書

二 資産の総額並びにその種類及びこれを証する書類

三 法第四十二条第一項に規定する業務に関する基本的な計画

四 役員の氏名及び略歴を記載した書面

 

則第24条の3(名称等の変更の届出)

 法第四十一条第四項の規定による届出をしようとする同条第二項に規定するシルバー人材センター(以下「シルバー人材センター」という。)は、次の事項を記載した書面を都道府県知事に提出しなければならない。

一 変更後の名称若しくは住所又は事務所の所在地

二 変更しようとする日

三 変更の理由

 

法第40条の趣旨、まとめ

1.平成24年通達の関連項目(高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部を改正する法律等の施行について) 

第4 高年齢者の職業の安定を図るための施策の基本となるべき事項

3 その他高年齢者の職業の安定を図るための施策の基本となるべき事項

 ⑹ 労働時間対策の推進
 高年齢者の雇用機会の確保、高年齢者にも働きやすい職場環境の実現等に配慮しつつ、所定外労働時間の削減、年次有給休暇の取得促進、フレックスタイム制等の普及促進を重点に労働時間対策を推進する。
 ⑺ 高年齢者の安全衛生対策
 高年齢者の労働災害防止対策、高年齢者が働きやすい快適な職場づくり、高年齢者の健康確保対策を推進する。
 ⑻ 多様な形態による雇用・就業機会の確保
 定年退職後等に、臨時的・短期的又は軽易な就業を希望する高年齢者に対しては、地域の日常生活に密着した仕事を提供するシルバー人材センター事業の活用を推進する。
 ⑼ 高年齢者の起業等に対する支援
 高年齢者の能力の有効な発揮を幅広く推進する観点から、高年齢者が起業等により自ら就業機会を創出する場合に対して必要な支援を行う。
 ⑽ 地域における高年齢者の雇用・就業支援
 事業主団体と公共職業安定所の協力の下、企業及び高年齢者のニーズに合ったきめ細かな技能講習や面接会等を一体的に実施することにより、高年齢者の雇用・就業を支援する。
 ⑾ 雇用管理の改善の研究等
 高年齢者の雇用機会の着実な増大、高年齢者の雇用の安定を図り、また、生涯現役社会の実現に向けた環境整備を進めるため、必要な調査研究を行うとともに、企業において取り組まれている高年齢者の活用に向けた積極的な取組事例を収集、体系化し、各企業における活用を促進する。また、高年齢者雇用状況報告等に基づき、高年齢者の雇用の状況等の毎年度定期的な把握及び分析に努め、その結果を公表する。さらに、国際的に高年齢者の雇用に係る情報交換等を推進するとともに、年齢差別禁止など、高年齢者の雇用促進の観点について、さらに検討を深める。

 

都道府県雇用開発協会 法第40条関連

 

参考:都道府県雇用開発協会一覧 https://www.mhlw.go.jp/general/seido/josei/kyufukin/f05.html

都道府県の高年齢者雇用開発協会 (雇用開発協会・雇用対策協会・雇用促進協会・総合雇用推進協会) は都道府県知事又は都道府県労働局長の許可を受けて設立された団体 (一般社団法人又は一般財団法人) で、 各都道府県における高年齢者の安定した雇用の確保及び再就職援助を促進するための事業主に対する相談、 援助、 啓発及び給付金の受付・審査並びに労働者の高齢期における職業生活の設計に関する相談・援助等の業務を行っています。

 

シルバー人材センターの概要

1.公益社団法人全国シルバー人材センター事業協会 法第46条関係

 HP https://www.zsjc.or.jp/about/about_02.html

 同事業協会の事業内容は、シルバー人材センターの健全な発展並びに定年退職者、その他の高年齢退職者の能力の積極的な活用を促進するための全国唯一の団体として労働大臣(現厚生労働大臣)の指定を受け、定款に定められた以下の事業を行っています。

① シルバー人材センター、シルバー人材センター連合の業務に関する普及・啓発事業
② シルバー人材センター、シルバー人材センター連合の業務に従事する者に対する研修事業
③ シルバー人材センター、シルバー人材センター連合の業務についての指導など事業
➃ シルバー人材センター、シルバー人材センター連合の業務に関する情報・資料の収集及び提供事業
⑤ その他シルバー人材センター、シルバー人材センター連合の健全な発展並びに定年退職者などの高年齢者の能力の積極的な活用、生きがいの充実及び社会参加などの推進を図るために必要な事業

2.都道府県シルバー人材センター連合 法第44条

 都道府県シルバー人材センター連合とは、知事の指定を受けた公益法人で、 都道府県が行う高齢社会対策と円滑な連携の下に、管内におけるシルバー人材センター事業の効果的な運営と 発展を図ることを目的としています。

 シルバー連合は、連合本部及び市(区)町村に置かれているシルバー人材センター(センター)で構成されています。

3.シルバー人材センター

 シルバー人材センター(センター)とは、高年齢者が働くことを通じて生きがいを得ると共に、地域社会の活性化に貢献する組織です。

 センターは、原則として市(区)町村単位に置かれており、基本的に都道府県知事の許可を受けた社団法人で、それぞれが独立した運営をしています。

 

①シルバー人材センターの業務 

 センターは、定年退職者などの高年齢者に、そのライフスタイルに合わせた 「臨時的かつ短期的又はその他の軽易な就業(その他の軽易な就業とは特別な知識、技能を必要とする就業)」 を提供するともに、ボランティア活動をはじめとするさまざまな社会参加を通じて、 高年齢者の健康で生きがいのある生活の実現と、地域社会の福祉の向上と、活性化に貢献しています。

②シルバー人材センターの設置単位

 センターは、原則として市(区)町村単位に置かれており、国や地方公共団体の高齢社会対策を支える重要な組織として、 「高年齢者の雇用の安定等に関する法律」 に基づいて事業を行う、都道府県知事の許可を受けた公益法人です。センターは、「自主・自立、共働・共助」の理念に基づき、会員の総意と主体的な参画により運営する組織(社団法人が基本)です。

 
 
 

③シルバー人材センターの目的

 
 
 
 
 
 
 
 
 
センターでの働き方は「生きがいを得るための就業」を目的としていますので、一定した収入(配分金)の保障はありません。
 
 

 

➃シルバー人材センターの職員

 センターは、地域の家庭や企 業、公共団体などから請負又は委任契約により仕事(受託事業)を受注し、会員として登録した高年齢者の中から 適任者を選んでその仕事を遂行します。仕事の完成は、契約主体であるセンターが負います。

⑤その他

 事業所の社員と混在して就業する仕事や、発注者の指揮命令を必要とする仕事などの場合は、一般労働者派遣事業や無料職業紹介事業をご活用いただきます。

 なお、シルバー人材センターの概要は、公益社団法人全国シルバー人材センター事業協会のホームページを確認して下さい。

 

 

以上で高齢者雇用法第40条・第41条を終了します。